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いきいき子育て支援情報

2024年4月号

最近の感染症情報

現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

  1. インフルエンザ ・・・・・・・ 減少傾向
  2. 新型コロナウイルス感染症 ・・ 増加傾向
  3. 感染性胃腸炎 ・・・・・・・・ 横ばい
  4. 溶連菌感染症 ・・・・・・・・ 横ばい
  5. 咽頭結膜熱  ・・・・・・・・ 増加傾向
  6. RSウイルス感染症・・・・・・ 増加傾向

 続いて、手足口病、突発性発しん、水痘、流行性角結膜炎、などが少数報告されています。

*溶連菌(ようれんきん)感染症が流行しています

2404_1.gif 溶連菌感染症が新型コロナウイルスへの感染対策が緩和された昨年の春から何度も流行を繰り返しています。もともと溶連菌感染症は春に流行しやすい病気ですから、これからが一番心配な季節です。小さな子どもからお年寄りまでみなさん溶連菌に感染しますが、特に小中学校でよく流行します。また家庭内でも特に兄弟姉妹間で感染しやすい病気です。のどの痛みと突然の発熱で始まり、体や手足に小さくて赤い発疹が出たり、舌にイチゴのようなツブツブができたりします。その他に腹痛や嘔吐などもみられます。時に心臓に障害などを起こすリウマチ熱や、急性糸球体腎炎といった合併症につながることもあります。抗生物質が効果的で飲み始めると数日で熱が下がりのどの痛みもやわらいできますが、確実に溶連菌を退治し重大な合併症を引き起こさないために、症状が消えても抗生物質は医師の処方どおりに最後まで5~10日間飲み続ける必要があります。

今月のトピック

妊娠中のRSウィルスワクチン

RSウィルス感染症とは?
 ・生後1歳までに50%以上、2歳までの乳幼児ほぼ100%に感染します。
 ・乳幼児肺炎の約50%、細気管支炎の50~90%を占めます。
 ・症状は感冒様症状から下気道感染まで様々ですが、生後6ヵ月未満では重症化しやすい。
 ・日本では毎年12万人程度の乳幼児が診断され、約3万人が入院治療を必要としています。
 ・有効な治療法はありません。
 ・合併症として無呼吸・急性脳症、また後遺症として気管支喘息があります。
RSウィルス感染症の予防は?
 ・基礎疾患を有する児や早産児にはRSウィルスワクチン接種可能ですが、現時点ではRSウィルス感染症による入院の大部分を占める基礎疾患のない正期産児には予防法はありません。
 ・妊娠中に投与できるRSウィルスワクチンは2024年6月を目安に接種可能となる予定です。
 ・妊娠24週~36週の妊婦さんにワクチン接種すると、重症RSウィルス感染症の7~8割、感染自体は50%強の予防効果あると報告されています。
RSウィルスワクチンの副作用は?
 ・妊娠中にワクチン接種すると注射部位疼痛ありますが、大きな合併症の報告はありません。念のためにモニタリングは必要とされています。

文責:福山市医師会母子保健委員 青江尚志

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