うんちの話

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健康チェック

福山市医師会が毎月お届けする、あなたの健康チェックのためのコラムです。


NO.49
2002年7月号
うんちの話

福 山 市 医 師 会
こだま まさはる
児玉 雅治
(肛門科)

はじめに
 うんち......この言葉をきいて、みなさんは何を想像されますか。今朝の自分のうんちを想像される人もいるでしょう。においを想像する人もいるでしょう。しかし、人のうんちはもちろんですが、自分のでさえ、しげしげと見つめたり、においをかいだりする人は少ないと思います。
 われわれ人間の場合、うんちの重量は1日150~200gといわれています。アフリカ像などは1日100㎏もの大量のうんちをするそうです。理想的なうんちはバナナ状の形をして、褐色の色をしています。うんちとして出ていくものは食べた物のうち、わずか2%ほどです。うんちのほとんどは腸内細菌やその死骸、腸管上皮の剥がれ落ちたもの、肝臓、膵臓、腸管などからの分泌物です。よって、何も食べなくてもうんちは出ます。食べた物は口から入っていって、食道、胃、小腸、大腸、肛門と7~9mもの長いトンネルを1~2日かけて流れ、うんちの一部となり、出て行きます。そのために、うんちを調べると、何を食べてどんな生活をしているのかなどの生活背景だけでなく、胃や腸などの健康状態も推測できます。

うんちのうんちく
 まず、うんちの色についてです。皆さんの中にもけっこう経験された方が多いと思いますが、赤色のうんちについてです。うんちに赤い色がついている場合、血液が付着していることがほとんどです。このような場合、92%が痔疾患、3%が大腸がん、3%が大腸ポリープ、2%がその他、といわれています。よって、多くの場合は痔疾患によるものなのですが、たまに大腸がんなどが潜んでいることがあり要注意です。おしりから出血しても、痔だと思って放置している方がたくさんおられます。確かに、痔疾患のことがほとんどですが、放置しておくと手遅れになることがあります。恥ずかしい気持ちは分かりますが、一度は病院にいって調べてもらいましょう。黒色のうんちの場合、胃などに潰瘍、がんなどがあり、そのために出血している可能性があります。また、貧血の薬(鉄剤)を服用しても、黒いうんちが出ます。白色のうんちの場合、胆汁が腸管に十分に流れていません。肝臓、胆管、膵臓などに異常がある場合があります。形としてはバナナ状が理想的です。うさぎのうんちのような、コロコロ便がでる場合はストレスなどによって、腸管の動きが敏感になっている可能性があります。かちかち便ではいわゆる便秘のことが多いようです。ヘドロ状の便は欧米型の食事やアルコールをよくとる人に多いようです。水様の下痢便では、食あたりや薬の副作用などでよくみられます。うんちの太さが細くなってくる場合は、大腸がんなどで大腸が狭くなっていることがあります。また、排便してもすっきり出ない場合、排便してもまたすぐに便意をもよおす場合、今まで順調だったのに急に便秘になってきた場合も、要注意です。

最後に
 このように、うんちひとつでも、たくさんのことが分かります。排便したとたんに、レバーをひねってお別れするのではなく、その姿・形を見つめ、自分の健康状態を確認し、この1~2日の生活に思いをはせながら最後のお別れをしましょう。なんといっても、簡単にできる検査ですから。

商工ふくやま2002年7月号掲載