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過敏性腸症候群とは?

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健康チェック

福山市医師会が毎月お届けする、あなたの健康チェックのためのコラムです。


NO.51
2002年9月号
過敏性腸症候群とは?

福 山 市 医 師 会
ながはら やすひろ
永原 靖浩
(内科)

過敏性腸症候群とは?
 過敏性腸症候群とは、過敏性大腸炎、過敏性腸炎とも呼ばれています。主として大腸の運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称で、腫瘍、炎症性腸疾患のような病気がないのに、腹痛、便秘、下痢が起こる病気です。消化器科受診患者の半数近くを占めていると考えられる程多い疾患ですが、種々の検査で異常が見られないために適切な治療が施されないことが少なくありません。

症状は?
 以下の3型に大きく分類されます。
  1. 便秘型:腹痛があり、便意があっても便が出にくく、ウサギの糞のような便が出ます。
  2. 下痢型:慢性の下痢がつづき、便に粘液が混ざることはありますが、血便はなく、また下痢による体重の減少は見られません。食事毎に下痢が発生することが一般的です。
  3. 下痢便秘交替型:下痢の症状が数日つづくと、便秘の症状が出て、コロコロした便や細い便が出るといった症状が繰り返されます。
原因は?
 仕事の前や、月曜日の朝など、不安や精神的ストレスが加わる時に症状が出やすい病気です。つまり、脳が不安や精神的圧迫などのストレスを受けると自律神経を介してストレスが胃や腸に伝達され胃腸の運動異常を引き起こし、腹痛や便通異常が発生します。一方、就寝中や休みを控えた週末あるいは楽しいことに熱中してストレスから解放されているときには症状があまりでません。比較的神経質で、性格が内向的、精神的に不安定な人によくみられます。小児から高齢者まで広くにみられ、やや女性に多い傾向があります。

診断は?
 消化管の検査として、注腸検査や大腸内視鏡検査をうけ、腫瘍、炎症性腸疾患等のような器質的病変がないことを確認します。さらにストレス、性格テストなど背景因子を調べると治療の際に参考資料となります。

治療は?
 まず、この病気の原因、病態を理解し、医師と協力して信頼関係のもとそれぞれの症状に応じて治療を進めることが必要です。回復へのポイントはストレスの悪循環を断ち切ることです。軽い運動、スポーツや趣味を活かしたストレスの発散、十分な休息・睡眠をとりリラックスしたプラス思考で上手に疾患と付き合うことが大切です。食事療法として食物繊維を積極的にとり、暴飲暴食は避けるよう、また水分は十分に補うよう心がけてください。生活習慣、食事療法ほかで改善しない場合は、薬による治療も必要です。症状に応じた薬があり、最近では、新しいメカニズムの薬剤の治療も行われています。
 慢性の腹痛、便秘、下痢でお悩みの人は、医療機関への受診をお勧めします。

商工ふくやま2002年9月号掲載