Home > いきいき子育て支援情報 > 2022年10月号

2022年10月号

最近の感染症情報

 現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

2210_1.jpeg

  1. 感染性胃腸炎 ・・・・・ 減少傾向
  2. RSウイルス感染症 ・・ 横ばい
  3. 手足口病 ・・・・・・・ 増加傾向
  4. ヘルパンギーナ ・・・・ 増加傾向
  5. 溶連菌感染症 ・・・・・ 減少傾向
  6. 咽頭結膜熱 ・・・・・・ 急減

※ワクチンで予防できる病気についてはできるだけ予防接種を受けましょう。インフルエンザワクチンは新型コロナワクチンと同時に接種を受けることが可能になりました。

2210_2.jpeg

 一昨年と昨年は日本でも世界でもインフルエンザは流行しませんでしたが、今年の春から南半球のオーストラリアではインフルエンザが流行し医療の逼迫が問題となっています。今後海外からの入国が緩和され国内へウイルスが持ち込まれると、この秋冬は日本でもインフルエンザが流行する可能性があります。
 最近インフルエンザが流行しなかったので、小さなお子さんではインフルエンザへの免疫が低下していると思われます。インフルエンザから気管支炎・肺炎・熱性痙攣などを起こして入院することもあります。稀にインフルエンザ脳症で重い後遺症がのこることもあります。手洗い、マスク、咳エチケットを普段から心がけるなど一般的な感染対策も重要ですが、小さなお子さんや高齢者・持病のある方など体の弱い方はワクチン接種がとても重要となります。副反応などのために接種できない方以外は積極的にインフルエンザワクチン接種を受けましょう。今年からインフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは同時でも同日でも接種間隔を気にせず接種を受けられるようになりましたので、早めに予防接種を受けましょう。

今月のトピック

お母さんがコロナ陽性になったら、母乳はどうする?

2210_5.jpg

授乳中のお母さんがコロナ陽性になった場合赤ちゃんに母乳をどうするべきか悩みますね。色々な学会の見解をみると感染したお母さんの母乳からウイルスが検出されたという報告はあまり無いようで、逆にコロナに対する抗体が分泌されていたという良い報告は見られます。母乳が持っている免疫作用や栄養を考えるとやはり母乳のメリットは大きいので、お母さんがコロナ陽性でも母乳をやめる必要はないのではないかというのが現時点での大体の意見のようです。では赤ちゃんへの感染を予防するためにはどのように授乳したらいいでしょう。お母さんが授乳可能でしたら十分な手洗いと消毒、マスクでしっかり感染予防策をして通常通り授乳することができます。お母さんの調子が悪い場合は搾乳して他の人が飲ませるという方法になります。母乳を止めて完全にミルクにして感染してない人が飲ませるという選択肢もあります。いずれの方法も赤ちゃんに飲ませてあげる人も同居の家族などの場合、陽性の可能性もありますので、やはり感染対策はしっかりおこなった上で飲ませてあげましょう。

文責:福山市医師会母子保健委員 奥村みどり

おくすり一口メモ

吐き気と坐薬 -福山市薬剤師会-

 小さなお子さんは体調や気分不良時には吐き気を訴えられることが多々あります。吐き気を止めるおくすりの形として錠剤、散剤、ドライシロップ、坐薬、注射があります。重症の嘔吐時には内服困難となり、水分補給もままならないことがあり、まず点滴にて水分確保と吐き気止めの処方、処置がなされます。そして点滴のみにて症状が治まらない時用におくすりが出ますが、そもそも、吐き気時は飲食もままならず、内服困難な場合が多く、無理をして飲んでいただいても、吐いてしまうと、体内に残ったくすりの量が不明で、追加服用が出来ません。そこで坐薬が使われます。よく使われますのがドンペリドンという成分の「ナウゼリン坐剤」で10mg、30mg、60mgとあり、概ね3歳以下では10mg、3歳以上に30mgが使われますが、「症状」「体重」によって変わってもきます。
 1回で治まらなく、症状が続く場合でも、2回目は8時間くらいの間隔が適当です。使用後排便が、15分以上後であればほぼ吸収されていますので様子をみます。5分以内に形が解る状況で排便とともに出た場合はもう一個使ってください。