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2023年1月号

最近の感染症情報

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 現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

1.感染性胃腸炎 ・・・・・ 増加傾向
2.RSウイルス感染症 ・・ 増加傾向
3.咽頭結膜熱 ・・・・・・ 増加傾向
4.手足口病 ・・・・・・・ 急増
5.溶連菌感染症 ・・・・・ 急減

 続いて、インフルエンザ、ヘルパンギーナ、水痘が少数報告されています。

※ インフルエンザによる異常行動について

 まもなく福山でも3年ぶりにインフルエンザが流行します。まだ西日本では感染者は少ないですが、すでに東北や関東では流行しています。小さなお子さんやご高齢の方はインフルエンザにかかると脳症や肺炎などの合併症により重症となったり、お亡くなりになることがあり注意が必要です。しかし持病のない健康なお子さんでも急に窓から飛び降りてお亡くなりになることがあります。
 特に小学生から高校生までのお子さんが発熱してから2日間は要注意です。
◎興奮して窓を開けてベランダに出て、飛び降りようとする
◎変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る
◎突然笑い出し外に走り出す、話しかけても反応しないなどの異常な行動を前触れなく突然おこします。タミフルなどの抗インフルエンザ薬を飲んでいなくても転落死されたお子さんや、異常な行動の後で発熱していることに気づかれ病院でインフルエンザと診断されたお子さんもいます。

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 万が一の転落などの事故を防止するためにインフルエンザが流行する冬は、お子さんの体調が良くても常日頃から
◎玄関や全ての部屋の窓を確実に施錠する
◎マンションの方はベランダに面していない部屋や窓に格子のある部屋で寝かせる
◎一戸建ての方は1階で寝かせる
などの対策を講じてください。

今月のトピック

おねしょについて

 6歳未満の子どもでは、おねしょがあっても必ずしも病気とは言えません。6歳になっても月に数回以上のおねしょがみられる場合は夜尿症と診断され、小学生になっても夜尿が続く場合に治療が行われています。夜尿症の治療には生活改善と薬物療法があります。生活の改善は治療の基本です。生活の改善によって約2割の子どもが、おねしょをしなくなります。生活改善のポイントは規則正しい生活、水分のとり方と便秘です。不規則な生活は夜尿症を悪化させます。夕食は早めにとり、夕食から寝るまでの間隔を長くしましょう。夕食後から寝るまでの時間が短いと寝た後に尿が作られることになるので、おねしょをしやすくなります。水分摂取は夕食後から水分を控えめにし、カフェイン入りの飲み物や膀胱を刺激する柑橘系や炭酸系の飲料を避けましょう。また、腸に大量の便があると膀胱を圧迫し、おねしょの原因となる可能性があります。排便が週2回以下で便秘がある場合は便秘を治しましょう。夜尿症は子どもの自信をなくし、学校生活に影響を与えることがあります。小学校に入学しても毎日おねしょが続くようでしたら、かかりつけの先生に相談しましょう。

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文責:福山市医師会母子保健委員・学校保健委員 安井雅人

おくすり一口メモ

2種類の坐薬 -福山市薬剤師会-

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 内服が困難な小さなお子さんや、大人でも、吐き気が強く、 水も飲めないような症状に、坐薬が処方されることがあります。「熱さまし」「吐き気止め」「けいれん止め」「便秘」「咳」等があります。剤形はロケット状で、太いほうから肛門に挿入し、子供さんの場合10分から15分くらい便意で、漏れるのを防ぐためにお母様方に肛門を抑えておいていただきます。症状、病気によって2種以上の坐薬が処方されることがあります。通常は1剤挿入後5~6分して次を挿入しても大丈夫ですが、坐薬の種類によっては30分以上の間隔が必要な場合もあります。「熱さまし」と「けいれん止め」や、「熱さまし」と「吐き気止め」などよくある組み合わせですが、小児用「熱さまし」は少し特殊なので、「けいれん止め」や「吐き気止め」を一緒に使う場合は「けいれん止め」や「吐き気止め」を先に使って30分くらい後に使うことが大切ですので、使用方法をしっかりとお聞きください。