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2023年2月号

最近の感染症情報

 現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

1.インフルエンザ ・・・・ 横ばい
2.感染性胃腸炎 ・・・・・ 減少傾向
3.溶連菌感染症 ・・・・・ 減少傾向
4.RSウイルス感染症 ・・ 減少傾向
5.咽頭結膜熱 ・・・・・・ 増加傾向

 続いて、流行性角結膜炎、水痘、手足口病が少数報告されています。

※ 年長さんは麻しん風しんワクチンを今年度中に接種しましょう

 麻しん・風しんはかつては大きな流行が発生していましたが、ここ数年は国内では流行がみられず平成27年には日本国内は麻しんの排除状態にあることが認定されました。現在は海外から来られた方が麻しんを発病され、周囲の方が感染してしまうことがときどき発生しています。風しんも国内で感染される方はとても少なくなっています。
 しかしながら海外には麻しん・風しんが流行している国が多くあります。新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、海外との往来が増えれば感染地域からウイルスが国内に持ち込まれる可能性も高くなります。
 麻しん・風しんは感染力が強く、手指のアルコール消毒・マスクのみでは予防できません。2302_1.gif麻しん・風しんのワクチンが最も有効な予防法といえます。麻しん風しん混合ワクチンは定期接種となっており、1歳の時と小学校就学前の1年間の2回受けることになっています。
 年長さんのお子さんの麻しん風しん混合ワクチンは3月31日までです。できるだけ早めにワクチン接種をうけましょう。

今月のトピック

赤ちゃんの涙目にご注意

 生後から約1ヶ月の赤ちゃんで、涙目や目やにが継続する様になった場合、一番疑われるのは先天性鼻涙管閉塞です。外来で涙目の患者ご自身が「涙腺が詰まっています」と言われることによく遭遇します。医学的には、もし本当に涙腺が詰まったとしたら、涙目ではなく逆に激烈なドライアイとなり失明の危険さえあります。よって涙目の患者が言う「涙腺が詰まっています」は実は涙腺ではなく鼻涙管(涙の下水管)が詰まっていることになります。涙腺の位置ですが、目尻の上にあります。これも勘違いされている方が多いですが、2302_2.gif目頭の下にあるのは、よって涙腺ではなく鼻涙管(涙の下水管)となります。先天性鼻涙管閉塞の治療ですが、多くの赤ちゃんで自然治癒する可能性があるため、まずは経過観察となります。生後6ヶ月以降12ヶ月の間に治癒しない場合、先天性鼻涙管閉塞開放術(ブジー)を行います。生後12ヶ月を過ぎると赤ちゃんが大暴れして押さえ切れないようになる事があり、ブジーのため全身麻酔が必要になる場合がありますのでご注意ください。

文責:福山市医師会学校保健委員 坂本郁夫

おくすり一口メモ

からだの中でのお薬 -福山市薬剤師会-

 「薬」とは、人のからだに、なんらかの働きをするものすべてを言いますが、それには役に立つ場合と害になる場合があります。医師、薬剤師はその働きを観る四つの要点として「吸収」「代謝」「分布」「排泄」に注目していきます。「どのような形で体に入り」「胃や肝臓でどのように影響を受け」「体のどこで働き」「どこから、からだの外にでるか」です。それぞれが、薬の効果だけでなく副作用、有害作用に密接に関係しますので、医師がくすりを処方する場合に、病気、症状に加え、年齢、体重、体質を考慮した「四つの要点」を考えて処方されます。医師、薬剤師からの薬の使い方説明には、それらの特徴を活かした大切な内容が含まれています。より少量で、より有用で、より有害作用を少なくし、よりお薬を理解していただく為に次回からこの四つの要素ついてお話しさせていただきます。2302_3.gif