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2023年4月号

最近の感染症情報

 現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

    1. インフルエンザ ・・・・ 横ばい

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  1. 感染性胃腸炎 ・・・・・ 減少傾向
  2. 溶連菌感染症 ・・・・・ 急増
  3. RSウイルス感染症 ・・ 増加傾向
  4. 咽頭結膜熱 ・・・・・・ 急減

 続いて、ヘルパンギーナ、水痘、流行性角結膜炎が少数報告されています。

※ 春に流行しやすい病気

 桜の花も咲き誇り春風が心地いい季節となってきました。インフルエンザや風邪をひく人も少なくなり一年で一番快適な季節となりますが、溶連菌感染症は冬から初夏とくに春に流行します。小さな子どもからお年寄りまでみなさん溶連菌に感染しますが、特に小中学校でよく流行します。また家庭内でも特に兄弟姉妹間で感染しやすい病気です。のどの痛みと突然の発熱で始まり、体や手足に小さくて紅い発疹が出たり、2304_2.gif舌にイチゴのようなツブツブができたりします。そのほかに腹痛や嘔吐などもみられます。ときに心臓に障害などを起こすリウマチ熱や、急性糸球体腎炎といった合併症につながることもあります。抗生物質が効果的で飲み始めると数日で熱が下がりのどの痛みもやわらいできますが、確実に溶連菌を退治し重大な合併症を引き起こさないために、症状が消えても抗生物質は医師の処方どおりに5~10日間最後まで飲み続ける必要があります。

今月のトピック

親子健康手帳(母子手帳)を活用しましょう

 子育てされていれば手元にいつも親子健康手帳(母子手帳)2304_3.gifをお持ちのことでしょう。健診や予防接種のために使われていることが多いとは思いますが、手帳の後半には、のどに物が詰まった時の処置法や心肺蘇生法なども分かりやすく記載してあります。
 また、「こどもの救急」ホームページや福山市の子育て支援アプリ「あのね育ナビ」のQRコードも載っています。QRコードを読み取るだけでアクセスできます。「あのね育ナビ」はスマホにダウンロードするだけで予防接種時期の管理や成長の記録、地域の情報の入手などが手軽にできます。成長の記録には写真も入れられます。デジタル母子手帳(アルバム)としても活用できます。ぜひダウンロードしてみてください。

文責:福山市医師会母子保健委員・学校保健委員 木村眞人

おくすり一口メモ

おくすりとからだ(体内動態)代謝について -福山市薬剤師会-

 前回はお薬の吸収についてで、今回は代謝です。代謝とはお薬や食物などが体に入る際に受ける化学反応と思ってください。多くの腸から吸収されたお薬や食物成分はまず肝臓に入って代謝を受けます。肝臓での代謝(化学反応)は薬や食物の体に有害な成分を分解したり、血液に入りやすいものに変えます。また、薬によってはその代謝(化学反応)を受けて初めて、役に立つ成分となったりします。その代謝(化学反応)は様々な酵素によって行われますが、薬によっては同じ酵素で代謝(化学反応)される場合、同時に飲むと一方の薬が代謝を受けにくくなり、薬の効果を期待できないことがあります。同じ現象が薬と食べ物で起きることがあります。これらを「相互作用」と言い、お薬を渡される場合に必ず説明、注意を受けると思いますので指示、指導を守って下さい。体に入ったお薬が水に溶ける形となって排泄されるのも、代謝(化学反応)の大きな役割です。

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