Home > いきいき子育て支援情報 > 2023年6月号

2023年6月号

最近の感染症情報

 現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

2306_1.gif1.感染性胃腸炎 ・・・・・ 横ばい
2.新型コロナウイルス感染症 横ばい
3.RSウイルス感染症 ・・ 増加傾向
4.インフルエンザ ・・・・ 減少傾向
5.溶連菌感染症 ・・・・・ 横ばい
6.咽頭結膜熱 ・・・・・・ 増加傾向
7.ヘルパンギーナ ・・・・ 増加傾向

続いて、手足口病、水痘、流行性角結膜炎が少数報告されています。

※ 麻疹(はしか)が関東地方で流行しはじめています。

2306_2.gif 麻疹は日本でも大流行を繰り返していましたが、ワクチン接種により2015年には日本国内から麻疹は一度は排除されました。その後も外国から日本へ来られた人がウイルスを持ち込み散発的に流行を繰り返していましたが、コロナ禍で海外との人の往来が激減したため最近3年間は麻疹は日本国内ではほとんど発生していませんでした。今回はインドで麻疹に感染した方が日本へ帰国後に発症されました。同じ新幹線を利用した人などが次々に感染しています。麻疹には特効薬がなく高熱が続き肺炎や脳炎でお亡くなりになるお子さんも多い病気です。感染力は新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスに比べて桁違いに強く、免疫のない人は同じ室内にいただけで感染します。これから全国へ流行が拡大するかもしれません。マスクや手洗い・換気では防ぐことができません。麻疹にかからないようにするにはワクチンを2回うけておくことしかありません。まだワクチンをうけていない1才から年中さんまでのお子さん、2回目をうけていない年長さん以上の方は早めにワクチン接種をしましょう。

今月のトピック

虫刺されはどうして痒くなるの?

 2306_3.gifこれからの季節は屋外で活動する時間が増えてきます。遊びに夢中となって気付かないうちに体中あちこち刺されてしまうお子さんがよくいらっしゃいます。
 なぜ小さな虫に刺されただけなのに痒くなるのでしょうか。虫は人間の血液を吸う前に唾液を人間の皮膚の中に注入します。この唾液には痛みを感じなくする物質や血を固まらなくする物質が含まれています。人体はこの物質を異物と感じてアレルギー反応が起こります。
 2306_4.gif刺された直後に腫れて痒くなり数時間で治る即時型反応と、数日してから腫れる遅延型反応があります。遅延型反応は治りにくく1週間も続くことがあります。遅延型反応は痒みも強く、何度も掻きむしって硬いしこりになったり伝染性膿痂疹(とびひ)になったりすることがあります。個人差はありますが年齢によって二つの反応の起こりやすさが違います。子どもは遅延型反応が大人よりも起こりやすいため虫刺されはひどくなります。
 屋外で活動するときは肌の露出を少なくし虫除けスプレ-などを使用しましょう。

文責:福山市医師会母子保健委員・学校保健委員 齋藤 洋

おくすり一口メモ

おくすりとからだ(体内動態)排泄について -福山市薬剤師会-

 さて、吸収され、代謝された薬剤が体内に分布にて働きました。そこで、体に入った飲み薬の多くは、水に溶けるようになり、腎臓から尿へと移って体の外に排泄されます。このお薬の排泄される時間が、お薬の効く時間と大きくかかわり、大切な「飲み方」の基準となります。体から、半分排泄された時間が「半減期(半減時間)」で表され、短かければ服用回数を増やし、長ければ1日1回とか1週間に1回、1月に1回の飲み方もあります。また、腎臓の機能が低下すると、お薬が体の外に出ていかず、どんどん体に貯まって有害事象を起こすことがあります。薬によっては、肺から呼気に排泄されお薬の匂いがしたり、特殊な薬で、害はありませんが、涙、汗、唾液が赤褐色に着色することがあり、周りの方がびっくりされることもあります。2306_5.gif