Home > こどもの健康 > 子どもの病気(外科編) > 11.お腹が大きい

11.お腹が大きい

お母さんが知っておきたい子供の病気
外科編

はじめに

  1. おなかが痛い
  2. 嘔吐
  3. 血便
  4. そけいヘルニア・陰嚢水腫
  5. 臍ヘルニア
  6. 包茎
  7. 停留精巣
  8. 睾丸捻転症
  9. 便秘
  10. 白い便
  11. お腹が大きい
  12. 胸のへこみ
  13. 腕を動かさない
  14. やけど
  15. 異物誤嚥
  16. 皮膚に見られる孔(瘻孔)

あとがき


乳児から幼児にかけてのこどもは概してお腹が大きい。腹部膨満のはっきりとした定義はないけれど肋骨の高さよりお腹の方が飛び出していれば腹満といって差し支えない。親は時々はこどもが眠ったときにお腹の上に手をやり、触ってみるべきです。お腹に軽く手のひらを乗せ、呼吸に合わせて動かしているだけでよい。ふつうはこどものお腹は柔らかく塊など触れることはないが、手のひらに何かがこつこつと当たる感じがすることがあったり、あるいは固い感じがすることがある。これは時には何日も排便していないための宿便塊を触れていることもありますが、時には腹部腫瘍を触れることもあります。おとなでは症状が出る前にこんなに大きくなって腹満で気が付くことはまず考えられませんが、こどもでは全く珍しいことではありません。子供の腹部腫瘍はそれほど多いものではありませんが、こどもの死因の2位は悪性腫瘍であることからも分かるように無視できるほどの頻度でもありません。もちろん良性の腫瘍も悪性の腫瘍もあります。発生する場所としては副腎や後腹膜交感神経(神経芽腫)や腎臓(ウイルムス腫瘍)、肝臓(肝芽細胞腫)、後腹膜奇形腫、卵巣腫瘍、などは比較的高い頻度で発生すると言われています。神経芽腫については6ヵ月頃のおしっこを保健所に送り、尿中の腫瘍産生ホルモン(VMA、HVA)を測ることによって早期に発見できるようになりましたが、それでもすべての神経芽細胞腫を発見できるとは限りません。肝芽細胞腫もAFPという腫瘍産生蛋白があることが知られており、早期発見や治療にとても役立っています。このように腫瘍産生物質(腫瘍マーカー)があるものはいいのですが必ずしもすべても腫瘍にそういったマーカーがあるわけではありませんので、やはり触診や外来でもできる超音波検査がとても役に立つわけであります。こんなに大きくなってから発見される小児がんですが、おとなの癌と違って治療成績は大変良好です。病気の程度(病期)が軽ければほとんどの小児がんのこどもは治すことができます。それは小児の腫瘍は抗ガン剤にとてもよく反応するし、手術でも完全にとれることがとても多いからです。もちろんがんの手術ですから決して小さな手術ではありませんが、こどもは手術にもとても強くてよく耐えてくれるものです。

表4 腹部腫瘤

悪性腫瘍
神経芽腫
ウイルムス腫瘍
肝芽腫
横紋筋肉腫
奇形腫
副腎、交感神経から発生
腎臓から発生
肝臓から発生
筋肉、膀胱  体幹
卵巣 睾丸 仙骨部など
腹痛、痩せ、四肢痛 発熱
腹痛 血尿 高血圧
腹痛 発熱 貧血 性早熟
腹痛 局所痛 血尿 尿閉
腹痛 局所腫大
良性腫瘍
水腎症 腎嚢胞 肝嚢胞 腸間膜嚢腫 卵巣嚢腫 胆道拡張症  


NEXT