5.臍ヘルニア

お母さんが知っておきたい子供の病気
外科編

はじめに

  1. おなかが痛い
  2. 嘔吐
  3. 血便
  4. そけいヘルニア・陰嚢水腫
  5. 臍ヘルニア
  6. 包茎
  7. 停留精巣
  8. 睾丸捻転症
  9. 便秘
  10. 白い便
  11. お腹が大きい
  12. 胸のへこみ
  13. 腕を動かさない
  14. やけど
  15. 異物誤嚥
  16. 皮膚に見られる孔(瘻孔)

あとがき

 いわゆる「でべそ」ですが、よくへその緒の処置がまずかったからですかと質問されるのですが、全く関係ありません。

この部分は胎児期には臍血管や臍腸管、尿膜菅と言った管が通過していたところでもともと弱いところですが、そこに腹圧がかかることによって生後1ヶ月頃から腸が押し出されてきます。その後次第に大きくなりますが、腹腔が発育してくるにつれて左右の腹直筋によりヘルニア門が自然に閉じられてきます。1歳までにはほとんど9割以上が治ってしまいます。そけいヘルニアと違って2歳頃まではまず嵌頓することもないので、手術などは行わず自然経過を見るのがよいと思います。ただ、あまりヘルニアが大きいと皮膚が伸びきって治ったときでも大きめのおへそになって気にされる方がおられます。それを防ぐために絆創膏を用いてヘルニアを抑える方法がありますが、実際には皮膚のかぶれなどから長く固定しておくのは困難な場合が多いようです。3、4歳になっても「でべそ」が続いている場合手術をすることもありますが、主として美容的な意味からです。手術は臍輪に沿って切開しますので、傷はほとんど見えなくなります(図7)。 


そのほか、おへその異常として生後1ヶ月くらいの赤ちゃんで「臍がいつまでもジクジクする」という訴えがよくあります。これは「臍肉芽」といってへその緒の断端に肉芽ができるものでピンクのポリープのような形をしています。小さい場合は硝酸銀で焼いたり、大きい場合には糸で結紮することで簡単に治ります。しかしジクジクするおへその中には、まれには肉芽ではなくて、深いおへそ(臍洞―さいどう)や腸管や膀胱との交通のある臍腸管遺残(いざん)や尿膜管遺残(いざん)といった手術が必要な病気のこともありますので、長く続くジクジクや分泌物が多い場合には早めに小児外科を受診するのがよいと思います。

おへそは昔からおなかに近いので、あまりいじらないようにとよく言われていましたが確かにおへその感染はすぐに腹膜につながりますので要注意です。綿棒などでのおへその清拭をするのも結構ですが、決して傷を付けないようにやさしくおこなう必要があります。

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