6.包茎

お母さんが知っておきたい子供の病気
外科編

はじめに

  1. おなかが痛い
  2. 嘔吐
  3. 血便
  4. そけいヘルニア・陰嚢水腫
  5. 臍ヘルニア
  6. 包茎
  7. 停留精巣
  8. 睾丸捻転症
  9. 便秘
  10. 白い便
  11. お腹が大きい
  12. 胸のへこみ
  13. 腕を動かさない
  14. やけど
  15. 異物誤嚥
  16. 皮膚に見られる孔(瘻孔)

あとがき

 外陰部の異常を訴えて来院される患者さんは多く、その中でも特に包茎が筆頭です。包茎にも2種類あって真性包茎とは包皮の口が細いため亀頭を全く露出できないものをいいます。これに対して、皮をかむってはいるが容易に亀頭を露出できるものを仮性包茎と呼び、こどもでは病的なものとはされていません(図8)。

1,2歳の子供はほとんどが真性包茎の状態ですが、4、5歳になるまでに自然に亀頭露出が可能になります。したがってこの年齢までは原則として治療の必要はありません。ただし、排尿困難があるものや繰り返し感染を起こすものは早めに手術が必要となることがあります。無理やり皮を剥いてしまって亀頭が露出したままになると、狭小部で亀頭の根元が締め付けられて血行障害(嵌頓包茎―かんとんほうけい―といいます)を起こすことがあります。この状態は大変痛みがあり、また危険ですので一刻も早く病院に連れて行く必要があります。一番大切なのは無理やり剥かないということですが、万一そうなった場合には間髪をいれず、元に戻してあげないといけません。剥く練習はしてもかまいませんが、毎日少しづつするのが安全です。どうしても剥くことができない場合には手術をすることになります。おとなの場合包皮をリング状に切除してしまう環状切開という方法が用いられますが、この方法の術後は常に亀頭部分が露出した状態になるため同年代のほかの子たちと較べた時、外観的にかなり異なり、それを嫌がる子や親も多いため、年の小さい子の場合には仮性包茎の形にする包皮輪拡大術をすることもあります(図9)。

 包茎以外にも陰茎の異常を訴える場合は多いのですがその一つとして「陰茎の途中の皮下の黄色い腫瘍」があります。これは亀頭と包皮との間のスペースに恥垢が溜まったもので腫瘍ではありません。恥垢は皮脂のことでちょうどバターのようなもので皮下に溜まった場合5mmほどの円形の腫瘤のような外観をしています。特に何もする必要はありませんが、時にこれに感染して包皮炎を起こしてくることがあります。そのときには包皮を剥離して排膿した方がよいので病院を受診してください。

 男の子に比べ女の子は外陰部の異常を訴えることは多くありませんが、その中で時に訴えられるものに陰唇癒合(いんしんゆごう)があります。これは左右の小陰唇が癒着している状態です。癒着の長さはいろいろでほとんど全長にわたっている場合もあり、そんな場合膣口も尿道口も見えません。親はある日突然に外陰部の形のおかしいのに気が付いてとても心配されて来院されますが心配ありません。手術も不要で、外来で癒着部分を鈍的にはがしてあげればそれで治ります。特別麻酔も必要なく、少し出血する程度ですが、後になって時に再癒着することがありますので、癒合防止のため軟膏をしばらく塗ることにしています。

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