9.便秘

お母さんが知っておきたい子供の病気
外科編

はじめに

  1. おなかが痛い
  2. 嘔吐
  3. 血便
  4. そけいヘルニア・陰嚢水腫
  5. 臍ヘルニア
  6. 包茎
  7. 停留精巣
  8. 睾丸捻転症
  9. 便秘
  10. 白い便
  11. お腹が大きい
  12. 胸のへこみ
  13. 腕を動かさない
  14. やけど
  15. 異物誤嚥
  16. 皮膚に見られる孔(瘻孔)

あとがき

 便秘と一言に言ってもその定義は結構あやふやです。毎日出ていても便の性状がコロコロ便だったり、量が少しで押し出されるように出る場合(遺糞症といいます)は異常ですし、逆に数日間出なくても一定の間隔で良い性状の便がまとまって出て、腹痛などの症状もなければ便秘とはいえません。こういったことを基本において便秘について説明します。

便秘を主訴として受診されるお子様は新生児期から年長児までいろいろですが、私たちが特に気を遣うのは乳児以下のこどもで腹満や嘔吐、遺糞症(いふんしょう)、逆に下痢を伴うなど他の異常を示す場合です。こんな場合には時に生まれつき腸が細くなっていたり、肛門が狭かったり、あるいは腸管の蠕動運動を伝える腸壁神経が先天的に欠如したヒルシュスプルング病と呼ばれる疾患などが隠れていることがあります。でも幸いなことにこのような手術などの治療を必要とする便秘は大変稀で、ほとんどの便秘は習慣性便秘といわれるものです。これは切れ痔などで排便痛があったり、トイレの訓練が上手にできなかったり、食事の偏りすぎなどが原因となって長い時間をかけて便秘となったものです。時には大腸全体に石のように固くなった宿便が詰まってしまって自力では出せなくなってしまうほど激しいものもあります(宿便)。こんな場合には当然腹痛や食欲不振、腹満などの症状を伴い、排便は固い便の間を通った軟らかい便だけが毎日少しずつ頻回に出る、いわゆる便失禁の状態になります。一見毎日排便があるので家族の人は便秘と思っていないこともあります。このタイプの便秘の治療は原因を取り除き、宿便を排出させ、食事療法とともにトイレの習慣をつけることで手術などをすることなく治すことができます。ただし、長い時間をかけてできあがった病気なのでやはり同じくらい長い時間がかかることを覚悟すると同時に、定期的に診察を受けながら計画的に治療を進める必要があります。

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