いきいき健康メール (2011年12月号)
2011年12月9日発行号
◎ 12月1日は、「世界エイズデー」です。
エイズ(後天性免疫不全症候群:Acquired Immunodeficiency Syndrome;AI
DS)は、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus;HIV)によっ
て引き起こされる感染症です。HIVは、ヒトの免疫機構の中心であるヘルパーT
リンパ球(CD4細胞)に感染し、体を病気から守っている免疫力を破壊します。
HIVに感染すると、数週間後に、インフルエンザや伝染性単核球症に似た症
状が出現しますが、自然に軽快します。その後、数年間は、自覚症状のない潜
伏期が続きますが、その間にも、ヘルパーTリンパ球の破壊が進み、免疫力の
低下が進行しています。感染から、数年~10年後に、帯状疱疹、カンジダ症、
カリニ肺炎、悪性リンパ腫など、日和見感染症や免疫不全による病気を併発し
、エイズ発症と診断されます。
現在では、治療薬が進歩し、キチンと服薬すれば、エイズ発症を予防するこ
とができるようになっています。
HIVの感染経路は、
(1) 性行為による感染
(2) 血液を介する感染
(3) 母子感染
の、3つだけで、現在、日本では、ほとんどが、「性行為による感染」です。
2011年世界エイズデーの、国内啓発キャンペーンテーマは、『エイズとわた
し~支えることと 防ぐこと~』です。
福山市でも、JR福山駅やさんすて、まなびの館ローズコムで、エイズ予防の
ための啓発グッズの配布、パネル展、HIV抗体の迅速検査などが行われました。
日本国内でHIVに感染している人は、エイズ動向委員会の報告では、年間150
0人くらい増え続けており、累積感染者数は、2万人に達しています。福山市で
も、感染者は増え続けており、遠い世界の病気ではなくなっています。正しい
知識と理解で、他人ごとではなく「自分の問題」として考え、感染予防をする
ことが大切です。