いきいき健康メール (2014年5月号)
2014年5月9日発行号
◎ヒトメタニューモウイルス感染にご注意を!
最近、高い熱が続き、咳がひどいなどの症状が気になる方はいませんか?そ
んなあなたは、「ヒトメタニューモウイルス感染症」かもしれません。「ヒト
メタニューモウイルス」聞き慣れない名称ですが、2001年に発見された呼吸器
感染を引き起こすウイルスです。冬から春に流行するRSウイルスと似たウイル
スです。1?3歳の幼児の間で流行することが多いのですが、大人にも感染しま
す。小児の呼吸器感染症の5?10%、大人の呼吸器感染症の2?4%は、ヒトメタ
ニューモウイルスが原因だと考えられています。成人では風邪症状ですむこと
が多いのですが、乳幼児や高齢者では気管支炎や肺炎を引き起こすことがある
ため注意が必要です。また、1回の感染では免疫が獲得できず、何度か繰り返
して感染してしまいますが、年齢が上がるにつれて徐々に免疫がつき、症状が
軽くなる傾向にあります。
流行期間ですが、3月から6月に多いとされています。感染経路は、咳やくし
ゃみによる飛沫感染、手を介した接触感染によります。症状ですが、咳や鼻水
は多くの場合1週間程度つづき、発熱も4?5日間つづくことが多いです。重症
化すると、喘鳴(ゼーゼー)、呼吸困難がみられます。
治療法ですが、特効薬はありません。対症療法が中心となり、咳や痰をきり
やすくする薬や気管支を広げる薬などを使用します。また、他の細菌の二次感
染が見られる場合は抗生物質などを使用することもあります。
予防法ですが、手洗い、うがいが大切です。また、ウイルスの排泄期間は感
染後2週間ほど続くため、しばらくの間、感染予防に努める必要があります。
保育園・幼稚園や小学校などでの集団感染に注意する必要がありますので、家
に帰ってきたら、手洗い・うがいを徹底しましょう。