いきいき健康メール (2015年12月号)
2015年12月10日発行号
◎息が上がるのは年のせいではないかもしれません
動物は呼吸によって酸素を細胞に取り込み、生命活動に必要なエネルギーを
常に作り続けています。当たり前のことではありますが、私たちは呼吸せずに
生きてはいけません。
もしちょっとでも息苦しいと、なんだか気持ちもイライラしてしまいますよ
ね。呼吸はそれほど大切なものです。しかし、辛い息苦しさがずっと続く病気
があるのをご存じですか?
最近は呼吸器の病気として「COPD」という言葉をよく聞くようになりました
。COPDとは慢性閉塞性肺疾患のことで、咳・痰が続く、坂道や階段を上るくら
いで息切れになるなど、呼吸し辛くなるという肺の生活習慣病です。酷くなる
と酸素ボンベが手放せなくなったり、風邪などが悪化して死亡するケースもあ
る深刻な病です。
縁遠いことのように思えますが、実は身近な病気で、40歳以上の約8.6%、5
30万人以上の患者さんがいると言われています。
COPDになる最も大きな原因は、タバコの煙です。その中には化学物質が4000
種類以上含まれています。他にも大気汚染が原因となることもあります。それ
らの有害な物質が気管支や肺で炎症を起こしたり、肺胞という酸素と二酸化炭
素を交換する小さな器官が破壊されて機能しなくなることでも呼吸がし辛くな
ります。沢山の水を吸ったり絞ったりできるスポンジが、ヘチマのように硬く
なってしまうのをイメージしていただけたら分かり易いかと思います。
COPDは痛みがなく、なかなか自身では気付かないのが恐ろしいところです。
高齢者に多い病気ではありますが、残念ながら一度壊れた肺胞は元に戻らない
ので、予防や早期発見が大切です。気付かぬうちに病気が進行してしまう40?
50歳台のうちに検査をされることをオススメいたします。
COPDかどうかはスパイロメーターという機械で肺機能を調べることで分かり
ます。呼吸器の専門医が居る医療機関で診断してもらうのが良いでしょう。