いきいき健康メール (2016年3月号)
2016年3月10日発行号
◎あの日、JMATが動き出した
2011年3月11日、あの未曾有の大災害から、5年の歳月が経ちました。改めま
して、亡くなられた皆様へ哀悼の意を捧げますとともに、被災されたすべての
皆様に心よりお見舞い申し上げます。
日本には、大地震や津波などの災害で現地の医療機関が大きな被害を受け、
診療が立ち行かなくなったときに、現地で医療支援をおこなう組織があります。
それが、国の「DMAT」と、日本医師会の「JMAT(日本医師会災害医療チーム
-Japan Medical Association Team)」です。
あの日から更に時を1年遡って2010年の3月、日本医師会では災害支援のでき
る医療チームを組織しようと動き始めていました。
我が国には、災害発生時にいち早く現地に赴いて急性期の医療活動をする「
DMAT」がすでに国によって整備されていたものの、DMATが引き上げた後、中期
的に医療支援を引き継げる組織がありませんでした。
そこで日本医師会で、急性期から現地の医療体制が回復するまでの間を支援
する組織「JMAT」を作ろうと議論を重ねていたのでした。
そしてあの日、東日本大震災が起きたのです。まだ完成には至っていなかっ
たJMATでしたが、1年間の検討を元に動き出すこととなりました。
自衛隊や航空会社の協力を得て、被災地を除く全国から、現地へ医師・医療
スタッフ・事務員のチームが組まれ、派遣されました。
福山市医師会からも宮城県石巻市へ3名がJMATとして派遣されました。当会
は震災からある程度時間が経ってからの派遣となりましたが、先発隊は泊まる
ところもなく、避難所で現地の方々と一緒に寝泊まりしていたそうです。毎日
くる大きな余震もどれほど恐ろしかったでしょうか。
地震・津波・火山の噴火・台風・洪水などの自然災害、工場爆発、航空機や
列車事故、放射線事故、そして生物・化学兵器によるテロなど、大災害はいつ
どこでどんな形で起こるか分かりません。
そんな時、飛んでいって診療を助けてくれる組織、動き出してから丁度5年を
迎えた日本医師会の「JAMT」のお話しでした。