いきいき健康メール (2018年4月号)
2018年4月10日発行号
◎自己免疫疾患とはどんな病気ですか?
心臓病・腎臓病・肝臓病・肺病など臓器別の疾患ならば理解が出来るが、多臓
器に病変が及ぶ全身の病気ならば、原因が不明である。
免疫反応は本来、細菌・ウイルス・異物など、外からの侵入物に対する反応で
す。ところが、免疫機構の破綻によって、自分の細胞・蛋白・核成分・臓器に
対して反応する病的な反応が自己免疫です。
自己免疫疾患と呼ばれる病気は関節リウマチ(RA)・全身性エリテマトーデ
ス(SLE)・多発性/皮膚筋炎・全身性硬化症(強皮症)・多発性動脈炎な
どの膠原病、慢性甲状腺炎(橋本氏病)・重症筋無力症・自己免疫性肝炎/膵
炎などが含まれます。いずれも、病変が多臓器に及ぶ原因不明の難病です。
治療は抗リウマチ剤、ステロイド・ホルモン、免疫調整剤、免疫抑制剤などが
使用されます。近年、遺伝子組み換えで作成された、炎症を惹起する特定の蛋
白に対する抗体が治療に応用され、画期的な効果を挙げています。
関節の痛み、蛋白尿、皮疹、不明熱、食欲不振、体重減少、筋肉痛、脱力感な
どの自覚症状が出現したら、早めに医療機関を受診しましょう。