いきいき健康メール (2018年11月号)
2018年11月9日発行号
◎便秘症
これから寒い季節をむかえ、運動不足や水分の摂取不足などで便秘になりがち
です。
腸内環境が悪化すると、便秘に加えて肌荒れや肩こり、痔といったさまざまな
症状・病気になることもあります。深刻な慢性便秘症の方も多く、成人の便秘
症診療のためのわが国初のガイドラインとして2017年10月に慢性便秘症診療ガ
イドラインが刊行されました。
慢性便秘症は、ガイドラインによると「本来体外に排出すべき糞便を十分量か
つ快適に排出できない状態」とされており、いわゆる「自分が便秘だと思った
ら便秘」です。
便秘の治療には、適切な食生活、生活習慣の改善や薬物療法などがあります。
生活習慣改善のポイントとしては、適度な運動、排便習慣をつけること、スト
レスをためないことなどがあげられます。
薬物療法としては、従来からの「浸透圧性下剤」、「刺激性下剤」での治療に
加え、最近では「上皮機能変容薬」「胆汁酸トランスポーター阻害剤」等が承
認され、治療の選択肢が増えています。
たかが便秘といった認識でいると、実は悪性疾患が原因の便秘であったという
こともあります。
便秘でお悩みの際には、自分に限って大したことはないだろうと考えず、診断
も含めてお近くの医療機関にご相談されることをお勧めします。
文責:福山市医師会 広報委員 西江 学