【いきいき健康メール】(2020年5月号)
2020年5月8日発行号
◎「毛虫皮膚炎」にご注意を
新緑の爽やかな季節になりました。
新型コロナウイルス感染症の影響で、人との接触をできるだけ減らさないといけない毎日が続いています。
こんな時には、緑豊かな自然の中で不安や緊張を癒やしたくなりますね。
しかし、この季節には毛虫による皮膚炎が多くなるので、注意が必要です。原因となる毛虫は、主にドクガとイラガの2種類です。
最も多いのはチャドクガで、この幼虫はツバキ、サザンカに生息しており、一匹が体表に数十万本の目に見えない毒針毛を持っています。
この毒針毛が風に乗って飛んできて、皮膚に触れると、その部位にたくさんの赤いブツブツが出てきて、強い痒みを起こします。
毒針毛の長さは、0.1mmと小さいため、薄い衣服であれば中まで通過して症状が出ます。毛虫に触れた覚えがなくても、毛虫のいる木のそばにいるだけで、毒針毛が飛んできて発病します。
近くに干してある布団、洗濯物に付いた毒針毛や、ペットに付いた毒針毛でも触れてしまうと発病するので、注意が必要です。毎年5~6月と8~10月に毛虫が発生するため、被害が増えます。
一方、イラガは、カキ、サクラ、クス、カエデ等の街路樹に発生します。イラガはチャドクガと違い、毛虫に直接触れることで毒液が注入され、激しい痛みを生じて周囲が赤く腫れます。
イラガの幼虫は緑色をしている上に、葉の裏にいるため、気づかず被害に遭うことが多いです。葉を食べた痕がある樹木に触れる時には、注意してください。
爽やかな季節、思いがけない毛虫の被害に遭わないように気をつけながら、初夏の自然を楽しみましょう。
文責:福山市医師会 広報委員 徳毛幸枝