【いきいき健康メール】(2020年10月号)
2020年10月9日発行号
◎運動のニワトリタマゴ問題 ~運動したくないから肥満するのか、肥満しているから運動したくなくなるのか~
9月に入ってからめっきり涼しくなりました。暑すぎることも寒すぎることもなく、運動には快適なシーズンとなりました。
熱中症予防のために運動を控えていた方々もそろそろ腰を上げて...、と思ったけれども何故かやる気が出ない。そんなことはありませんか?
先日学会で面白い話を聞きました。
古代ギリシャの医学の父「ヒポクラテス」は、紀元前400年前後の大昔に、すでに「運動は最上の薬である」と言っていたそうです。
これを現代の科学で解説すると、運動をすると筋肉からホルモン(マイオカイン)が分泌され、メタボを改善させたり免疫力を上げるため、薬のように効果があるということです。
運動というのは動物で言うと「餌」を探しに動き回る行動に相当します。ですから、肥満があると「これ以上栄養は必要ない」と体が判断し、食欲を抑えるホルモン(レプチン)が分泌されます。更にこれが長期間・過剰に分泌されると、脳に作用して運動による快感を抑えてしまい、運動が減る。すると更に肥満するという悪循環を形成してしまいます。すなわちニワトリが先か卵が先かのような状態になってしまいます。
更に、この悪循環は肉のような動物性脂肪を摂ることによって悪化してしまいますが、肉よりも魚や大豆食品をおかずにして、玄米のような食物繊維が多い主食を食べることで改善されるそうです。
運動しようと思ったけど腰が重い...という方、この悪循環から脱するには、まず食事から改善してみては如何でしょうか?
文責:福山市医師会 広報委員 濱本博美