【いきいき健康メール】(2021年2月号)
2021年2月10日発行号
◎COVID-19の"いま"についての10の知識
今この時期、本項で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を差し置いて他の感染症を語ることはできません。
2月3日現在、福山市が発表しているCOVID-19感染者数はのべ531名、死亡者数は20件となっています。本症が流行してから初めての冬を迎え、連日新規感染者の報告が続いており、市内数施設でクラスターが発生するなど感染者数が急増しています。
COVID-19に対しては、インフルエンザにおけるような有効な治療薬がなく、予防ワクチンも待機中である現状では、感染対策は個々人の危機感をもっての感染予防の他にありません。すなわち、感染拡大を防ぐには、お一人おひとりの感染予防がとても意味あるものとなります。耳に胼胝ができるほど聞かされている感染リスクが高まる「5つの場面」(飲酒を伴う懇親会、大人数や長時間におよぶ飲食、マスクなしでの会話、狭い空間での共同生活、居場所の切り替わり)に注意することが重要です。特に、飲食は主要な感染経路の一つであり、「飲食は家族と」がポイントとなります。冬の寒冷期にありますが、室温を保ちながら常時換気をし、適度な加湿を行って感染を予防しましょう。公衆トイレが汚染されている場合、ウオシュレットも感染源となり、使用を控えましょう。また、COVID-19は免疫学的にみて弱いウイルスがゆえに、テロ行為(血栓症)を仕掛けてきます。血栓症予防のため水分補給に心がけましょう。
ここで、厚生労働省ホームページに掲載の「COVID-19の"いま"についての10の知識」はじめ最近の動向から数項を挙げてみました。
(1)感染力はインフルエンザに比し桁違いに高い。特に、変異ウイルスなどで。
(2)感染した人が他の人に感染させてしまう可能性がある期間は、発症の2日前から発症後7~10日間程度。
(3)重症化する人の割合は 50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%。
(4)死亡する人の割合は、50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%。
(5)致死率はインフルエンザの3~5倍。
(6)重症化のリスクとなる基礎疾患には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心・血管疾患、肥満。 また、妊婦や喫煙歴なども、重症化の注意が必要。
(7)感染判明時無症状でも、数日で症状出現し、急速に悪化して死に至るケースが15%存在する。
(8)ウイルス消失後も、なんらかの後遺症が75%でみられる。
発熱・倦怠感など体調がいつもと違う、風邪かなと感じたら外出を控え、先ずは、かかりつけ医に相談するか、相談先に迷うときは「積極ガードダイアル:928-1350(24時間対応)」に電話相談し、早めに医療機関を受診することが大切です。
文責:福山市医師会 感染症対策委員 坂田達朗