【いきいき健康メール】(2021年4月号)
2021年4月9日発行号
◎アルコール依存症について
4月になり暖かくなってきました。本来ならば花見、歓迎会、入学の時期ですが、今年も宴席を自粛されている方も多いでしょう。
一方で外で飲む機会が減り、自宅で飲むようになって、知らず知らずのうちに飲みすぎになっていませんか?
最近、アルコール依存症について、本人やご家族が相談に来られる方が増えています。今日はアルコール依存症の話をしてみようと思います。
現在、日本ではアルコール依存症の患者数は80万人以上と言われており、福山市の人口に当てはめると、約4万2千人になると推定されています。
厚生労働省が推奨している指針では、節度ある飲酒は青年男性で、純アルコール20gと示しています。これは、1日ビール500ml、ワインなら2杯程度に相当します。
最近では、ストロング系と言われるアルコール度数9%以上の安くて甘いお酒も売られており、これによる急性アルコール中毒で搬送されている方もおられます。
依存症は進行性の病気で、放っておくと体や精神状態に悪いだけでなく、人間関係や経済的な影響も出てきます。
「回復はあっても治癒はない」と言われるのが依存症の世界ですが、早期発見、早期治療が有効なのは、依存症も同じです。
福山市内にも専門治療を行っている医療機関が複数あり、家族療法、薬物治療、断酒会、リハビリプログラムなどたくさんの提案がありますので、お困りの方がいればご相談ください。
文責:福山市医師会 広報委員 大林芳明