【いきいき健康メール】(2023年4月号)
2023年4月10日発行号
◎腸は第2の脳
近年の研究では、ストレス応答や精神疾患において、腸内細菌が重要な役割を果たしていることが明らかとなっています。
緊張すると下痢あるいは便秘をするといった、ストレスでお腹の調子が悪くなる人もいるでしょう。
近年の研究では、その逆もあるのではないかと考えられています。つまり、腸内環境が悪い人は、ストレスによる症状が悪化しやすい可能性があります。
ストレスと腸内細菌
マウスの研究では、健全なストレス応答には腸内細菌叢が必須で、慢性ストレスによって腸内細菌叢が変化し、腸内細菌叢の改善はストレス応答を改善することがわかっています。
うつ病患者さんの腸内細菌叢の研究では、善玉菌として知られるビフィズス菌と乳酸桿菌が一定数以下の人が多かったという報告があります。
健全なストレス応答と腸内細菌は、双方向に影響し合っている可能性が高いようです。
プレバイオティクスを取りましょう
腸内細菌叢の改善と聞くと善玉菌の入った食品やサプリメントを思い浮かべる方が多いと思います。もちろん、そのようなサプリメントも悪くはありませんが、腸内細菌の多様性には差が出なかったという報告もあります。やはり自然界の多様性にはかなわないようです。腸内細菌叢の機能を高めるには善玉菌の餌となる「プレバイオティクス」が必要となります。具体的には食物繊維、オリゴ糖です。
食物繊維は野菜、果物、豆類、きのこ類などに多く含まれ、オリゴ糖は豆類、玉ねぎ、ネギ、ごぼう、ブロッコリー、バナナなどに多く含まれます。
また、ヨーグルトや納豆、味噌、キムチなどの発酵食品も良いと言われています。
納豆ご飯や玉ねぎ・ごぼうの入った味噌汁などで美味しく腸活してみてはいかがでしょうか。
福山市医師会 広報委員 新田 薫彬