2021年12月号
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◆◇◆ 福山市医師会子育て支援メールマガジン ◆◇◆
第217号 2021年12月8日
福山市医師会は、子供さんの健やかな成長とお母さま方の子育てを応援
しており、さまざまな子育てに関する情報をメールマガジンとして配信い
たします。
小児科医や産婦人科医などによる子育てや病気の説明、流行している
疾患の情報、イベントのご案内等を毎月配信いたします。
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□ Index
● 最近の感染症情報
● 今月のトピック
【「伸び」だけじゃない「強さも大事」子どもの骨】
● おくすり一口メモ
【医療用医薬品の流通不全について】
● パパ・ママへ(子育て支援事業のご紹介)
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●最近の感染症情報
現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知ら
せします。
1.感染性胃腸炎 ・・・・・ 減少傾向
2.手足口病 ・・・・・・・ 横ばい
3.RSウイルス感染症 ・・ 減少傾向
4.ヘルパンギーナ ・・・・ 減少傾向
5.溶連菌感染症 ・・・・・ 横ばい
6.咽頭結膜熱 ・・・・・・ 増加傾向
続いて、水痘、流行性耳下腺炎、流行性角結膜炎が少数報告されています。
インフルエンザは現在のところあがってきていません。
※ 毎年初夏に乳幼児が多く感染する手足口病が、県内ではこの季節としては
珍しく拡大傾向もあって流行警報が12月2日に発令されました。
保育園等集団で生活している子どもの間では感染が広がる可能性もありま
す。感染情報にご留意ください。
オミクロン株は11月下旬に南アフリカで変異が確認され、初期の分析では
感染力の高い可能性があるとして現在世界的に懸念が広がっています。実際の
感染力の強さや重症化の危険性、ワクチンの効果について現在分析が進んでい
ます。順次新しい情報が発表されることになりそうです。
今後の情報に注目する必要がありますが、多くの人が感染すれば重症化す
る人も増えてきますので、改めて感染対策を見直して適切に行う必要性が高ま
っています。
3密(密閉、密集、密接)を避けて、マスクの着用、うがい、手洗い、手指
消毒、換気を実践しましょう。
特に、冬の換気は難しいかもしれませんが、冬場は密閉して過ごすので、3
密にならないよう、寒くてもこまめに窓を開けて換気をしましょう。
風の流れができるよう、2方向の窓を30分に1回以上、1回5分間全開し
ましょう。窓が一つしかない場合はドアを開けましょう。レンジフードを併用
したり工夫をすれば換気の効果は上がります。
換気に当たっての寒いときはあらかじめ厚着をして身体を冷やさないよう
寒さ対策をして換気をしましょう。
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●今月のトピック
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【 「伸び」だけじゃない「強さも大事」子どもの骨 】
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子どもの骨の発達には「伸び」と「強くなる」の2つがあります。ここでは、
後者について説明します。骨の質の評価によく用いられるものに「骨塩量」が
あります。これは、一定量の骨の中に含まれるミネラル分(大部分はカルシウ
ムとリン)の量を示す指標で、骨の折れやすさの予測や骨粗しょう症の診断な
どに用いられます。健常児の腰椎 (つい) や股関節部での骨塩量は、思春期
後期に最大となります。骨塩量が最も増加するのは思春期の前半から中期にか
けてで、思春期後期になるとその増加速度は減少します。女児では11~14
歳でピークに達し、これは身長増加のピークの約2年後にあたります。その後、
骨塩量増加速度は16歳または初経の約2年後に著しく低下し、18歳前後で
ほぼゼロとなります。男児においては、思春期の発来は約2~3年程度女児に
遅れるため、骨塩量増加のピークは16歳前後です。このような男女差は骨の
構造にも存在します。骨は、皮質骨 (骨の外側にあって硬い部分)と、海綿骨
(骨の内側にあって網目状の比較的柔らかい部分)から成り立っています。長
管骨(腕や足などの長い骨)は、動作が効率よく行えるように、皮質骨の割合
が多くなっています。海綿骨は、皮質骨の内側にあり、骨梁 (りょう) が網
の目のように張り巡らされたスポンジ状になっていて、皮質骨に比べて骨の代
謝が盛んに行われています。小児期には皮質骨に男女差は認めませんが、思春
期に皮質骨が増加する際、男性では外方向に骨形成が生じるのに対し、女性で
は、内方向への骨形成が生じます。この結果、男性では骨はその長さと筋力に
耐えうる皮質骨幅が獲得されます。女性では、妊娠に向けてのミネラルの代謝
回転の高い海綿骨側への骨が蓄積されていくことが分かっています。
骨を強くするのに大切なのは、運動、栄養、睡眠です。ゲームやテレビに夢
中になりすぎると運動不足や寝不足が心配です。成長ホルモンは夜寝ていると
きに一番良く出ますし、適度な運動も成長ホルモンの分泌を促します。このホ
ルモンは、身長を伸ばすために働くだけじゃなく、骨を大きくして強くするた
めにも働きます。だから、運動不足や寝不足はくれぐれもしないで下さい。
文責:福山市医師会母子保健委員・学校保健委員 山中良孝
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●おくすり一口メモ
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【 医療用医薬品の流通不全について 】 福山市薬剤師会
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今夏頃から、医療用医薬品の流通が最悪の状態になっています。製薬会社か
らの出荷が滞ったり、停止している医薬品が数多く、子供さんが定期的に服用
されている医薬品が確保できない状況も起きています。一部の製薬会社の不祥
事に端を発し、連鎖反応的に広がり、全く先が見えません。従って、皆様には、
薬局・薬剤師が「同一成分」のメーカー違いの代替医薬品をお薦めすることが
非常に多くなっています。更には、処方医師と連携して「同種同効」の医薬品
を準備されることもあります。ジェネリックを服用されていたのに、先発品調
剤となり、幾分負担が重くなる場合もあろうかと思いますが、何卒、よろしく
ご理解の程、申し上げます。
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●ママ・パパへ(子育て支援事業のご紹介)
1┓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
┗┛ 福山夜間小児診療所
http://www.fmed.jp/kosodate/yakan/index.html
2┓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
┗┛ すこやか育児サポート事業(無料育児相談)
http://www.fmed.jp/kosodate/k_shien/sukoyaka/index.html
3┓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
┗┛
日本医師会「キッズクラブ」 http://www.med.or.jp/kids/
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●お知らせ
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【発行】 一般社団法人 福山市医師会
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