2022年1月号
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◆◇◆ 福山市医師会子育て支援メールマガジン ◆◇◆
第218号 2022年1月13日
福山市医師会は、子供さんの健やかな成長とお母さま方の子育てを応援
しており、さまざまな子育てに関する情報をメールマガジンとして配信い
たします。
小児科医や産婦人科医などによる子育てや病気の説明、流行している
疾患の情報、イベントのご案内等を毎月配信いたします。
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□ Index
● 最近の感染症情報
● 今月のトピック
【小児の新型コロナワクチン】
● おくすり一口メモ
【新型コロナウイルス経口抗ウイルス薬】
● パパ・ママへ(子育て支援事業のご紹介)
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●最近の感染症情報
現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知ら
せします。
1.感染性胃腸炎 ・・・・・ 横ばい
2.手足口病 ・・・・・・・ 増加傾向
3.RSウイルス感染症 ・・ 増加傾向
4.ヘルパンギーナ ・・・・ 横ばい
5.咽頭結膜熱 ・・・・・・ 減少傾向
6.溶連菌感染症 ・・・・・ 減少傾向
7.水痘(水ぼうそう)・・・ 減少傾向
続いて、流行性耳下腺炎が少数報告されています。インフルエンザは少数で
すが報告されています。
※ 広島県内では手足口病が増加にあり、流行警報が12月2日に発令されま
した。福山市においても感染者が比較的多く、保育園等集団で生活している
子どもの間では感染が広がる可能性もあります。感染情報にご留意ください。
国内の新型コロナウイルス新規感染者数は年末年始にかけて増加しており、
広島県も感染拡大を受けてまん延防止等重点措置が1月9日から適用開
始となりました。
「オミクロン株」が加速度的に広がり、感染拡大の第6波に突入したと言わ
れており、これから本格的に市中感染が増えてくる可能性が高いとみられます。
ワクチン未接種者と比較すると、ワクチンの2回さらに3回接種後、オミク
ロン株感染による入院リスクは、2回の場合は65%、3回目接種の場合は8
1%低くなると報告されています。政府によるワクチン接種の前倒し等の情報
もありますが、一日も早く接種を受けられることが期待されます。
オミクロン株は、デルタ株に比べて感染者1人が何人にうつすかを示す「実
効再生産数」が4~5倍高く、一方、現段階では入院リスクは0.2倍、重症
者リスクは0.3倍であったという報告が南アフリカ等のデータから報告され
ています。
重症化リスクは低いが伝播しやすいため、感染する人が多くなると入院患
者が増え、医療体制を圧迫する恐れも想定されます。
感染対策として、引き続き、基本的な感染症対策である3密の回避、こまめ
な換気・消毒・マスク着用を徹底して行うことが大切です。
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●今月のトピック
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【 小児の新型コロナワクチン 】
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この3月から5才~11才の小児の新型コロナワクチン接種が始まります。
保育所や学校でのクラスターの報告や、より感染力の強いオミクロン株流行の
懸念もあり、小児でもワクチン接種が開始されることになりました。
アメリカのデータでは、2021年10月10日の時点で、5~11才の約
200万人が新型コロナに感染し、94人が死亡。また、5,200人以上の小
児がMIS-C(多系統炎症性症候群:川崎病類似の病気)の診断を受け、4
6人が死亡しているとされます。日本で同じ規模の流行が起きる可能性は低い
かもしれませんが、持病を持っているハイリスクの子どもたちにとっては朗報
です。
アメリカでの治験では、ワクチンの接種量は成人の3分の1ですが、有効性
は高く、安全性は成人と変わらないとされ推奨されています。ほとんどの副反
応は軽症か中等症で、症状の持続は1~2日です。
小児は新型コロナ感染しても症状が軽いことが多いのも事実ですが、死亡が
2名報告されており、後遺症例も報告されています。専門家の間でも積極勧奨
するかは意見が分かれるところです。接種に不安や疑問がある場合にはかかり
つけの小児科医によくご相談ください。
また、新型コロナに感染した子どもの約75%は、親御さんからうつってい
ます。この逆に、子どもが親にうつすケースはあまりありません。家庭内感染
を防ぐためには「大人が感染しないこと」が肝要です。大人が職場や会食など
でかからない、大人のワクチン接種(特に3回目)をすすめることがとても重
要です。
文責:福山市医師会母子保健委員・学校保健委員 木村眞人
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●おくすり一口メモ
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【 新型コロナウイルス経口抗ウイルス薬 】 福山市薬剤師会
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昨年末には感染者「0」が続き明るい兆しに期待を膨らませた年始でしたが、
新たなオミクロン株による感染拡大で、状況が一変しました。朗報としては標
記の内服薬が使えるようになりました。製品名「ラゲブリオ」一般名「モルヌ
ピラビル」です。海外でのデータをもとに、特例として日本で認められました。
残念ながら18歳未満を対象とした臨床試験は実施されていませんので小児に
は使えません。また妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与できませ
ん。授乳に関しては、動物においても乳汁移行試験が実施できていませんので、
その治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮しなければなりません。新型ウ
イルスの脅威にさらされて2年となりますが、マスク、うがい、手洗い、3密
の回避、は生活習慣として続けていきましょう。
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●ママ・パパへ(子育て支援事業のご紹介)
1┓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
┗┛ 福山夜間小児診療所
http://www.fmed.jp/kosodate/yakan/index.html
2┓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
┗┛ すこやか育児サポート事業(無料育児相談)
http://www.fmed.jp/kosodate/k_shien/sukoyaka/index.html
3┓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
┗┛
日本医師会「キッズクラブ」 http://www.med.or.jp/kids/
☆=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=☆
●お知らせ
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【発行】 一般社団法人 福山市医師会
ホームページ http://www.fmed.jp/
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