2022年2月号
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◆◇◆ 福山市医師会子育て支援メールマガジン ◆◇◆
第219号 2022年2月9日
福山市医師会は、子供さんの健やかな成長とお母さま方の子育てを応援
しており、さまざまな子育てに関する情報をメールマガジンとして配信い
たします。
小児科医や産婦人科医などによる子育てや病気の説明、流行している
疾患の情報、イベントのご案内等を毎月配信いたします。
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□ Index
● 最近の感染症情報
● 今月のトピック
【春の鼻炎はスギ花粉症だけ?】
● おくすり一口メモ
【ムコダイン・ムコサール(去痰薬)について】
● パパ・ママへ(子育て支援事業のご紹介)
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●最近の感染症情報
現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知ら
せします。
1.感染性胃腸炎 ・・・・・ 横ばい
2.手足口病 ・・・・・・・ 横ばい
3.RSウイルス感染症 ・・ 減少傾向
4.咽頭結膜熱 ・・・・・・ 増加傾向
5.溶連菌感染症 ・・・・・ 増加傾向
6.ヘルパンギーナ ・・・・ 増加傾向
続いて、水痘、流行性耳下腺炎が少数報告されています。インフルエンザの
流行状態はみられません。
※ オミクロン株による第6波が厳しい流行状態にあります。全国的には若者
世代の感染者の減少がみられる地域もありますが、小児や高齢者の感染者が
増加しています。
直近では、福山市内の一日の感染者は20歳代は20%前後、10歳代は1
4%前後、10歳未満は15%程度占めており、小児の感染者が占める割合が
増加しています。
政府は対策の軸足を飲食店から保育所、学校、高齢者施設に移す方針を打ち
出しています。感染の場が変わってきたためで、重症化リスクの高い高齢者に
感染がさらに波及すれば、病床が逼迫する事態に発展することが懸念されてい
ます。保育所などの休園は、保護者が子供を家庭で見ることになり、社会機能
の低下につながるため、最小限にとどめたい考えのようです。
クラスターの発生場所が従来と異なり、学校・教育施設で34%、高齢者福
祉施設22%、児童福祉施設17%などの順となっています。
全国で10歳未満の子供の感染は1月11日までの1週間では2238人、
1月25日まででは4万1863人、2月1日まででは6万7564人と急増
の状況です。
子ども達の間での感染拡大を防ぐことはもちろん大切ですし、小児へのワク
チンも大切です。5~11歳の小児へのワクチン接種が始まろうとしています。
国内における感染症症例の大多数は軽症ですが、酸素投与などを必要とする中
等症例は散発的に報告されています。今後、全年齢において感染者数が増加し
た場合には、ワクチン未接種の小児が占める割合が増加し、小児の中等症や重
症例が増えることが予想されています。
オミクロン株への有効性を示すデータは十分に得られていませんが、5~
11歳の小児に対するワクチンはファイザー社製のみです。発症予防効果は9
0%以上と報告されています。
5~11歳の健康な子どもへのワクチン接種は12歳以上の健康な子ども
へのワクチン接種と同様に意義があると考えられています。健康な子どもへの
ワクチン接種には、メリット(発症予防等)とデメリット(副反応等)を本人
と養育者が十分理解し、実施前・中・後にきめ細やかな対応が必要です。
基礎疾患のある子どもへのワクチン接種により、COVID-19の重症化
を防ぐことが期待されます。基礎疾患を有する子どもへのワクチン接種は、本
人の健康状況をよく把握している主治医と養育者との間で、接種後の体調管理
等を事前に相談することが望ましいと考えられています。
感染対策として、引き続き、基本的な感染症対策である3密の回避、こまめ
な換気・消毒・マスク着用を徹底して行うことが大切です。
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●今月のトピック
********************************************************************** 【 春の鼻炎はスギ花粉症だけ? 】
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春先に鼻のかゆみ、鼻水などがあると「スギ花粉症かな?」と思われる人も
多いと思います。でもこんな症状はありませんか?
◇ スギ花粉症シーズンが終わったのに症状が続きます
春はスギ花粉(2月~4月)のほかに、ヒノキ花粉(3月~5月)やハンノ
キ、シラカンバといったカバノキ科の花粉(1月~5月)、イネ科の花粉(4
月~11月)が飛散しています。これらの花粉が原因の人は症状が長く続きま
す。花粉以外にも年中症状が出るダニ、ペットなどのアレルゲンもあります。
◇ 生のリンゴ・モモを食べると口の中がイガイガします
花粉症に合併する花粉-食物アレルギー症候群かも知れません。カバノキ科
花粉症の20~40%の人にリンゴやサクランボ、モモを食べたら症状がみら
れたとの報告があります。イネ科の雑草やブタクサ花粉症の人がメロンやスイ
カを食べたときに症状が現れることもあります。
◇ 咳や喘息様の症状が出ます
黄砂は3月~5月に多く飛来します。黄砂は直径約4μmで、スギ花粉の直
径30μmと比べて小さく、末梢の気管や肺に到達しやすいとされています。咳
や喘息症状を伴うケースでは黄砂やPM2.5による刺激が加わっているのか
もしれません。
文責:福山市医師会学校保健委員 堀内譲治
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●おくすり一口メモ
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【 ムコダイン・ムコサール(去痰薬)について 】 福山市薬剤師会
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かぜ、気管支炎などの時には気道を守る粘液(痰)がねばくなり、のどや気
管,気管支にたまってしまいます。それによって気管が狭くなり、息苦しくな
ったりして、痰を出そうと咳こみます。ムコダイン・ムコサールは痰を出しや
すくする薬です。一方、咳止めの薬の中には、ねばねば度を増すおくすりもあ
りますので、ムコダインやムコサールとの併用がねばい痰の成分をサラサラ系
に変え有効です。一般名ではカルボシステイン、アンブロキソールとなります。
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●ママ・パパへ(子育て支援事業のご紹介)
1┓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
┗┛ 福山夜間小児診療所
http://www.fmed.jp/kosodate/yakan/index.html
2┓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
┗┛ すこやか育児サポート事業(無料育児相談)
http://www.fmed.jp/kosodate/k_shien/sukoyaka/index.html
3┓・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
┗┛
日本医師会「キッズクラブ」 http://www.med.or.jp/kids/
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●お知らせ
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こんなことを教えて欲しいという事がありましたらこちらへ
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【発行】 一般社団法人 福山市医師会
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