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新型タバコは、普通のタバコより体に優しいのか?

【いきいき健康メール】(2020年5月 臨時号)

■新型タバコは、普通のタバコより体に優しいのか?

筆者が住んでいるマンションの隣の部屋のベランダで隣人が一服始め、煙の匂いが漂ってきます。こっそり窓を閉めて部屋の中で「タバコ吸わんとってや」とつぶやく毎日。それが最近あまり煙の匂いがしなくなり、どうやら加熱式新型タバコに変えたらしい・・・・これは喜ばしいことじゃないか?と思ったのですが・・・・

2月に福山市医師会禁煙支援の市民公開講座で、大阪国際がんセンターの田淵貴大先生の「新型タバコの本当のリスク」という講演を聞きました。日本人の死因に関連する危険因子のうち、予防可能な因子の約15%が喫煙で最も多く、次は約12%で高血圧だそうです。対策としてタバコの値上げ、家庭や職場環境での禁煙化の推進、メディアによる禁煙の啓発が行われました。すると今度は「害のない」新型タバコとして従来のタバコよりも有害物質を90%低減したといわれるものが発売されるようになりました。この新型タバコ、低減されたと表示されている以外の有害物質はかなり含まれており、今後の健康への悪影響は未知数です。新型タバコのニコチン含有量は低く、たいていの喫煙者はニコチン依存症なので、紙巻タバコよりも大量の新型タバコを吸わないと満足できず、結局有害物質の摂取量は多くなってしまうそうです。従来のタバコと新型タバコはほぼ同等の健康被害を喫煙する本人にもたらし、当然、受動喫煙のリスクも同等であるというお話しでした。隣人のタバコ、臭くないし、煙少ないし、新型タバコに変更できてエライと密かに褒めていた自分を反省したのでした・・・。

先日、隣の部屋は、引越しされて空室となっておりました。だから匂わなくなっただけみたいです。昨今世間を賑わせる新型コロナウイルスも喫煙者では明らかに肺炎の悪化と死亡率の上昇を認めています。禁煙が広がる社会になり、皆が健康に過ごせる世界になることを祈ってやみません。

福山市医師会ホームページ「市民の皆さんへ」
https://www.fmed.jp/cnt/news/news/200218_2.html

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発行:福山市医師会
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