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感染性胃腸炎

症状と経過

下痢を主に嘔吐・腹痛・発熱などの症状が組み合わさった病気の総称です。下痢は水様から血便や膿性のものまで原因により様々です。冬場に多いロタウイルス感染では、嘔吐や灰白色をした水様便が頻回にみられます。多くは対症療法により数日で自然軽快します。

原因

ウイルスと細菌によるものがあり、多くの種類があります。潜伏期間は原因により半日程度から10日くらいと様々です。いずれも患者さんの便を介して経口感染します。一般に水様性の下痢ではウイルス(ロタ、アデノなど)によるものが多く、血便や膿性の下痢の場合には細菌性の下痢が疑われます(サルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌(O-157ほか)など)

治療

下痢や嘔吐、脱水に対する治療が中心となります。乳酸菌製剤などが投与されますが、細菌感染の場合には抗生剤が必要となるケースがあります。下痢止めは便性や全身状態を見極めて投与されます。これは下痢を抑えすぎると、病原体が体の中にかえって長くとどまってしまうためです。また、嘔吐や脱水がつよい場合には点滴が必要となります。ロタウイルスのワクチンが研究されていますが、今のところ予防接種はありません。

合併症

O-157では細菌の作る毒素により、腎臓や肝臓に重大な障害がでることがあります。(溶血性尿毒素症候群とよばれます)

家庭での注意

脱水対策として、下痢をしていても水分の補給は大事です。嘔吐がある場合でも少量づつ頻回にのませてください。子供用のイオン飲料はかまいませんが、大人用のスポーツドリンクは適しません。お米は下痢のときの栄養素としては優秀で、おかゆを嫌がるようなら柔らかめのご飯をたべさせてください。脱水の程度を測る目安として尿量にも注意しましょう。また便を扱った場合、流水と石鹸で十分手洗いをしましょう。