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2024年6月号

最近の感染症情報

現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

  1. 感染性胃腸炎 ・・・・・・・・・横ばい
  2. 溶連菌感染症 ・・・・・・・・・横ばい
  3. 新型コロナウイルス感染症 ・・・減少傾向
  4. 手足口病 ・・・・・・・・・・・増加傾向
  5. RSウイルス感染症 ・・・・・・横ばい
  6. 咽頭結膜炎 ・・・・・・・・・・減少傾向

 続いて、流行性角結膜炎、突発性発しん、インフルエンザ、水痘、などが少数報告されています。

*食中毒に気を付けましょう

 6月から夏の食中毒予防期間が始まります。細菌・ウイルスが付着した食品や細菌が作る有害な毒素が含まれる食品を食べることによって、下痢や嘔吐などが起こります。小さなお子さんやご高齢の方は重症になりやすいので特に気を付けましょう。気温・湿度が上がると細菌による食中毒が発生しやすくなるので注意が必要です。
 2406_1.gif食中毒を予防するには細菌を「つけない」「ふやさない」「やっつける」ことが大事です。調理前は石けんで手をよく洗い、包丁やまな板などはこまめに消毒しましょう。購入した食品はすぐに冷蔵庫へ入れて、調理後の食品は室温で放置しないでください。お肉やお魚はしっかり加熱しましょう。長い時間放置された食品は加熱しても食中毒が発生しますので、もったいなくても廃棄しましょう。

今月のトピック

結膜炎と出席停止

 結膜炎は細菌性結膜炎(バイ菌による結膜炎)、アレルギー性結膜炎、ウイルス性結膜炎に大きく分けられます。眼科外来で単なる結膜炎と言われた時は細菌性結膜炎を指すことが多いようです。
 アレルギー性結膜炎の原因としては花粉が有名で特別に花粉症と呼ばれています。他には、ダニ、ハウスダスト、カビや動物のフケなど代表的です。アレルギー性結炎は他人には全くうつりませんので出席停止はありません。
 細菌性結膜炎ですが他人にはほぼうつらないので法律による出席停止はありません。ただ、保育園、幼稚園の内規で児童の出席を制限している場合がありますので、園に問い合わせて下さい。
 ウイルス性結膜炎ですが、令和6年前半に日本中で大流行した流行性角結膜炎(はやり目)や咽頭結膜熱(プール熱)が有名です。どちらも感染力が非常に強く学校保健安全法で出席停止となります。流行性角結膜炎はアデノウイルス8型、19型、37型など、咽頭結膜熱はアデノウイルス3型、4型、7型などで発症する事が多いとされています。例えばアデノウイルス3型によるプール熱に一度かかるとその型によるプール熱にはかかりませんが、アデノウイルス4型によるプール熱にはかかる可能性がありますので見かけ上、何度もプール熱にかかる可能性があります。他にはエンテロウイルス(急性出血性結膜炎)やコロナウイルスも結膜炎を発症します。出席停止期間はウイルス性結膜炎の種類によって異なりますので医師の指示に従って下さい。

文責:福山市医師会学校保健委員 坂本郁夫

おくすり一口メモ

小児への湿布薬の使用方法と注意点(その1)~湿布薬の種類と効果(パップ剤とテープ剤の違い、温湿布と冷湿布の違い)~ -福山市薬剤師会-

 湿布は大きく分けて、パップ剤とテープ剤の2種類があります。
 パップ剤:不織布に水分を含む軟膏が含まれ、貼った瞬間に冷感があるのが特徴です。水分が含まれているため、粘着性は弱いですが、保湿効果があり、かぶれにくいです。しかし、見た目が白く厚いため目立ちやすく、「湿布の匂い」も強めです。
 テープ剤:粘着性が高く剥がれにくいので、肘や膝などよく動かす関節に適しています。剥がれにくいため、効果が長持ちし、1日1回の使用で済むものが多いです。その反面、粘着性が高いため、かぶれやすいです。テープ剤は肌色が多く目立ちにくく、匂いも少ないことが多いです。
 また一般的に急性の痛みには冷湿布、慢性の痛みには温湿布を使用します。炎症や腫れがあり熱を持っている場合(ねんざ、打撲など)は冷湿布が適しています。肩こりや膝の痛み、腰痛など慢性的な痛みには温湿布がおすすめです。冷湿布は患部を冷やし炎症を抑える効果があり、温湿布は血行を促進してコリをほぐします。どちらを使うか迷った場合は、冷やすか温めるかどちらが気持ち良いかで判断すると良いでしょう。痛みがひどい場合や長引く場合は、医師の診察を受けましょう。
 小児に使えない成分は主にNSAIDsと呼ばれる消炎鎮痛成分があります。安易に自身が使っている湿布薬を使わないよう注意しましょう。
 次回は小児への湿布薬の正しい使用方法(使用方法、貼り方、使用時間の目安)です。