いきいき子育て支援情報(2023年11月号)
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- いきいき子育て支援情報
最近の感染症情報
現在、福山市内にて小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

- インフルエンザ ・・・・ 増加傾向
- 新型コロナウイルス感染症 減少傾向
- 溶連菌感染症 ・・・・・ 増加傾向
- 感染性胃腸炎 ・・・・・ 増加傾向
- 咽頭結膜熱・・・・・・・ 増加傾向
- 手足口病 ・・・・・・ 横ばい
- 流行性角結膜炎・・・・・ 減少傾向
続いて、ヘルパンギーナ、RSウイルス感染症、流行性耳下腺炎が少数報告されています。
*結膜炎が流行しています
広島県内には10月から流行性角結膜炎警報が発令されています。この病気はアデノウイルスによる目の角膜・結膜の充血を起こす病気で、昔から「はやり目」と呼ばれています。目が痛くなったり目がゴロゴロするような異物感があったり、目やにが出たり涙が止まらなくなったりすることがあります。自然に改善することが多いのですが症状は2週間前後も続きます。
感染力が大変強く、家庭内や学校・保育所などで流行しやすいため注意が必要です。病気の人が目をこすりアデノウイルスが付着した手でタオルや蛇口・ドアノブを触った後に、他の人がウイルスで汚染された部分を触ると感染してしまいます。アルコール消毒では効果がありませんので流水による手洗いが重要です。次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が効果的ですが、刺激が強いため眼や皮膚につかないように注意してください。脱色・腐食することがありますので色落してはいけない衣類や家具には使用しないでください。次亜塩素酸ナトリウムが使用できない場合には熱湯消毒も有効です。
今月のトピック
楽しい離乳食

生後5、6ヶ月になったら離乳食を始めます。
離乳食は補完食ともいいます。生後5、6ヶ月頃、母乳やミルクだけでは不足する鉄、亜鉛、タンパク質などの栄養素を補います。でも栄養失調を心配して無理やりに食べさせても赤ちゃんは食べてはくれません。まず、生後2、3ヶ月くらいの赤ちゃんにも、お父さんやお母さん家族がみんな楽しく食事をしている様子を見せてあげて欲しいのです。4、5ヶ月くらいになると赤ちゃんは口を開けてよだれを垂らし、食べたいと意思表示をしてきます。それに合わせて食べ物を口に入れてあげます。口の中で今まで経験したことのない事が始まるのですから赤ちゃんはびっくりして、ベーと出してしまうかもしれません。スプーンが嫌ならお母さんの指を使っても良いし、手掴み食べを大人も子どもも一緒に楽しんでも良いでしょう。増えている食物アレルギーについては、最近いろいろな研究の結果比較的早い時期からあげたほうがいいとわかってきました。
生後5、6ヶ月は、赤ちゃんが自分から食べたくなる時期、いろいろな栄養素が必要になる時期、食物アレルギーも一番起きにくい時期なのです。
心配な事があれば専門家に相談するといいでしょう。
文責:福山市医師会 学校保健委員 池田 紀和子
おくすり一口メモ
おくすりの形について(その1錠剤①) -福山市薬剤師会-
お薬の働くスタートは体に「吸収」されることです。その為に様々な工夫がされ、見た目は固形、液、ゼリー、粉、練り物、シートなどで、私たち薬剤師は「剤形」と言っています。専門的には注射剤、錠剤,散剤,ドライシロップ,シロップ、坐薬、テープ、吸入液、吸入粉、軟膏、クリームなどが呼び名です。しかしそれらはすべて、体内での働きに関連した意味があって造られています。
今回からその一部を紹介していきます。まず錠剤ですが、 基本的には薬に賦形剤を加え、固めただけを「裸錠」といいます。量的、保存的、取り扱い的、携帯性に優れていて、一番オーソドックスな剤型です。苦い成分のお薬を飲みやすく甘味を持たせているのが「糖衣錠」です。読んで字のごとくお薬に甘い糖分で衣を着せています。従って子供さんなどが何時までも飲み込まずに口の中で舐めていたら「糖衣」が溶けて強烈な苦みが出ることがあります。(続く)