一般社団法人 福山市医師会

【いきいき健康メール】を更新しました(2024年3月号)

  • 医療関係のみなさま
  • 市民のみなさま
  • いきいき健康メール
  • 健康コラム

感染症情報

◎新型コロナワクチンと肺炎球菌ワクチン

まだ新型コロナの流行が続いており、重症化を予防する目的で新型コロナワクチン接種が望ましい状況ですが、令和6年3月31日でワクチンの公費による無料接種が終了します。4月1日以降は自己負担が生じますので、ワクチン接種を希望される方は申し込みを急ぐことをお勧めします。

また、肺炎の原因となる細菌のうち、多くを占める肺炎球菌による肺炎を予防するために、65歳以上の方は5年おきに肺炎球菌ワクチンを接種することが推奨されています。令和5年度高齢者肺炎球菌予防接種が令和6年3月31日で終了します。対象は生年月日が昭和33年4月2日から昭和34年4月1日までの方、昭和28年4月2日から昭和29年4月1日までの方、昭和23年4月2日から昭和24年4月1日までの方、昭和18年4月2日から昭和19年4月1日までの方、昭和13年4月2日から昭和14年4月1日までの方、昭和8年4月2日から昭和9年4月1日までの方、昭和3年4月2日から昭和4年4月1日までの方、大正12年4月2日から大正13年4月1日までの方で、過去に肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスに限る)を接種したことがない方です。福山市にお住まいの方は自己負担金3000円でワクチンを接種できますので、ワクチン接種を希望される方は申し込みを急ぐことをお勧めします。

お問い合わせ先は福山市保健予防課です。

文責:福山市医師会 感染症対策委員 吉田 敬

今月のトピック

◎デートDVの背景

大人の恋人同士だけではなく、中学生・高校生・大学生などの若い恋人同士の間でもデートDV(恋人間暴力)は起きています。交際相手から、「身体的暴力」「心理的攻撃」「経済的圧迫」「性的強要」のいずれかの被害を受けている人は、恋人同士のうちの3割以上になります。また、デートDVの被害や加害経験があるにもかかわらず、その7割以上は被害者や加害者であるという認識がありません。暴力はコミュニケーションの1つであり時には必要であるという価値観が根強く残っています。

デートDVが起きている恋人間には「恋愛=性行為=暴力・支配」という図式がみられます。「自分と恋人は一心同体であるから、相手は自分のことをわかってくれて、思い通りになってくれて当然である」という考えからDV加害に、反対に「相手の気持ちをわかってあげて自己犠牲的に尽くすことは良いことである」という思考からDV被害につながっていきます。

また、このような依存的な恋愛観を持っている人は自分たちだけの排他的な世界に陥っているので、DVが起きても他の人には知られないことが多いのが特徴です。

さらに、「恋人は特別な関係であり、相手は自分のものだから自分の好きなように支配してもよい。束縛は愛の証である」といった恋愛至上主義の考え方は、「別れることは悪いことだ。暴力をふるわれていても、それを愛情と感じてしまう」という恋愛幻想を生んでいます。

文責:福山市医師会 広報委員 有木 則文