一般社団法人 福山市医師会

【いきいき健康メール】を更新しました(2025年12月号)

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感染症情報

◎定点報告数、定点あたり報告数と定点把握対象疾患

◆定点報告数

五類感染症のうち、新型コロナウイルス感染症や手足口病などの感染症は、定点把握対象疾患(一覧)といいます。これらの感染症発生状況を把握のために、医療機関の中から選ばれた定点医療機関から、感染症発生時に保健所に届け出がなされます。疾患内容と人口規模により地域の定点医療機関数が決められ、福山保健所管内であれば、新型コロナウイルス定点は18か所、小児科定点は11か所、などとなっています。これら定点医療機関からの1週間(1か月)の報告総数が定点報告数です。

福山市保健所保健予防課からの提供により、定点報告数を福山市医師会のホームページに転載しております。福山地域の各感染症の発生数の比較や、各週(各月)の変化を知ることができますので、情報に関心のあるかたは是非ご覧ください。

◆定点あたり報告数

定点あたり報告数は対象となる感染症について定点報告数を定点数で割った値で、言いかえると一つの医療機関あたりの報告数になります。人口規模の違いが修正されるため、各地域の比較や流行状況を把握する場合に使われます。各感染症の警報・注意報の開始・終息の基準もこれによって決められます。

◆定点把握対象疾患(週別対象)

●インフルエンザ/新型コロナウイルス定点
 インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症
●小児科定点
 咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎、RSウイルス感染症
●眼科定点
 急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎
●基幹定点
 細菌性髄膜炎、無菌性髄膜炎、マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎、感染性胃腸炎

※他に月別対象の定点把握対象疾患もあります

文責:福山市医師会 感染症対策委員 荒木 徹

今月のトピック

◎寒暖差アレルギーについて

急劇に寒くなってきましたが「鼻水が突然出だした」という方も多いのではないでしょうか?こういった時に「寒暖差アレルギー」という言葉を聞くことがあると思います。「寒暖差アレルギー」とは、医学的には「血管運動性鼻炎」とも呼ばれる状態で、急激な気温の変化により自律神経が乱れ、鼻の粘膜が刺激を受けて発症するアレルギーのような症状を指します。具体的には、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった花粉症に似た症状が見られるものの、花粉やハウスダストなどの特定のアレルゲンが原因ではありません。気温の変化が激しい季節の変わり目や、冷暖房の効いた環境で外に出たり入ったりする際に症状が出やすくなります。

対策としては、まず気温差をできるだけ小さくする工夫が重要です。外出時にはマフラーやストールを活用し、体を冷やさないようにするほか、室内では適度に加湿器を利用して湿度を保つことも効果的です。また、適度な運動や十分な睡眠を確保し、自律神経のバランスを整える生活習慣を心がけることが予防につながります。さらに、鼻の粘膜を直接保護するため、マスクを着用することも有効です。症状が重い場合は、医師の診断のもとで、鼻炎の薬などで適切な治療を受けることをおすすめします。

寒暖差アレルギーは生活習慣の工夫で予防が可能なため、早めの対策で快適な生活を維持することが大切です。

文責:福山市医師会 広報委員 宇高 毅