【いきいき健康メール】を更新しました(2025年2月号)
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感染症情報
◎ヒトメタニューモウイルス感染にご注意を!
最近、高い熱が続き、咳がひどいなどの症状が気になる方はいませんか?そんなあなたは、「ヒトメタニューモウイルス感染症」かもしれません。「ヒトメタニューモウイルス」聞き慣れない名称ですが、2001年に発見された呼吸器感染を引き起こすウイルスです。冬から春に流行するRSウイルスと似たウイルスです。1~3歳の幼児の間で流行することが多いのですが、大人にも感染します。小児の呼吸器感染症の5~10%、大人の呼吸器感染症の2~4%は、ヒトメタニューモウイルスが原因だと考えられています。成人では風邪症状ですむことが多いのですが、乳幼児や高齢者では気管支炎や肺炎を引き起こすことがあるため注意が必要です。また、1回の感染では免疫が獲得できず、何度か繰り返して感染してしまいますが、年齢が上がるにつれて徐々に免疫がつき、症状が軽くなる傾向にあります。
流行期間ですが、3月から6月に多いとされています。感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染、手を介した接触感染によります。症状ですが、咳や鼻水は多くの場合1週間程度つづき、発熱も4~5日間つづくことが多いです。重症化すると、喘鳴(ゼーゼー)、呼吸困難がみられます。
治療法ですが、特効薬はありません。対症療法が中心となり、咳や痰をきりやすくする薬や気管支を広げる薬などを使用します。また、他の細菌の二次感染が見られる場合は抗生物質などを使用することもあります。
予防法ですが、手洗い、うがいが大切です。また、ウイルスの排泄期間は感染後2週間ほど続くため、しばらくの間、感染予防に努める必要があります。保育園・幼稚園や小学校などでの集団感染に注意する必要がありますので、家に帰ってきたら、手洗い・うがいを徹底しましょう。
文責:福山市医師会 感染症対策委員 高橋 康太
今月のトピック
◎「ご自愛」とはご自分の身体=細胞を愛すること
この年始に映画「はたらく細胞」を息子と見に行きました。以前から漫画は読んだことがあり、内容は部分的に知っていましたが、私たち医療者が日常の診療で患者さんたちに伝えたくて、でもなかなか難しくて、十分に伝えきれない内容を、わかりやすく、そして面白く描いているなと感じました。
人の身体の中の様々な細胞を擬人化して描いているのですが、学生のころ、なかなか理解するのに苦労した白血球に分類されるヘルパーT細胞、NK細胞、キラーT細胞、マクロファージの役割。教科書に書かれている難解な文章を読まなくても、映画を見れば、一発でイメージできてしまいます。私の中ではヘルパーT細胞は軍服を着て各白血球に指令を出す染谷将太さんであり、キラーT細胞はかっこよく軍隊をまとめ、私たちを守ってくれる山本耕史さん、マクロファージは普段は穏やかですが、いざというときは颯爽と決めてくれる松本若菜さんです。コロナ禍以来、免疫の重要性が世間一般に広がっていますが、こんなにわかりやすく、かつ愛らしく免疫を教えてくれる教材があることにとても感動しました。私たちが学生の時にこの漫画があってくれたら、ベストセラー間違いなしです。
高血圧、高脂血症、糖尿病、動脈硬化がどうして体に悪いのか、心筋梗塞や脳卒中のリスクを診察室で説明するより、この映画を見たほうが心に響くかもしれません。血液がどろどろで、血管が狭くなると、一生懸命酸素を運んでいる永野芽郁さん、板垣李光人さん演じる赤血球がとても苦労するのです。そして、アルコールの過剰摂取は深キョン演じる肝細胞が苦しむわけです。世の自覚症状に乏しい生活習慣病の皆さんには、ぜひ、この映画を見て、自分の身体の中の細胞が、いかに苦しい中、何とかしようと頑張っているか、感じてほしいなと思います。
よく手紙やメールでの挨拶で「ご自愛ください」という言葉を使います。文字通り、ご自分を愛してください、という意味ですが、ぜひ、この映画を見て、ご自分の「細胞」を愛するという感覚を持っていただきたいなと願ってやみません。
文責:福山市医師会 広報委員 前原 弘江
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