いきいき子育て支援情報(2025年5月号)
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最近の感染症情報
現在、福山市内にて小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。
- 急性呼吸器感染症 増加傾向
- 感染性胃腸炎 横ばい
- A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 横ばい
- RSウイルス感染症 減少傾向
- インフルエンザ 横ばい
- 突発性発しん 横ばい
- 新型コロナウイルス感染症 横ばい
続いて、手足口病、伝染性紅斑などが少数報告されています。
*ロタウイルス胃腸炎に気を付けましょう
5月になり暖かい、日によっては暑い季節になり、冬場の感染症もだんだんと落ち着いてきましたが、福山市では胃腸炎がまだまだ残っている様子です。先月は感染性胃腸炎の話をしましたが、今月もひきつづいてロタウイルス胃腸炎についてお話します。
ロタウイルス胃腸炎はロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎で、乳幼児期(0~6歳ころ)にかかりやすい病気です。主な症状は、水のような下痢、吐き気、嘔吐(おうと)、発熱、腹痛です。水分を摂取ができなくなったり、下痢によってからだの水分を喪失したりして、脱水症状を起こすことがあり、脱水がひどくなると入院治療が必要になることがあります。
以前は、5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスに感染するといわれていましたが、令和2年からロタウイルスワクチンが定期接種となり感染者、重症者ともにほとんど見られなくなっていました。しかし、近年、特に今年は年長者(5歳以上)で症状が強くなるケースが増えているようい思います。原因はまだ特定されていませんが、ワクチン接種既往の有無や、接種からの経過時間が関係しているかもしれません。いずれにしても油断せずに過ごすことが大事です
調理や食事の前や排便後は石けんと流水で十分に手を洗うようにしましょう。
今月のトピック
妊産婦への薬の投与について

春は花粉が飛散する時期です。例年なら花粉症専用薬を使用していますが、今年は妊娠中のため自己判断で薬の使用を控えてしまい、症状が増悪している妊産婦さんも多いです。
花粉症専用薬に限らず、妊婦・授乳婦さんの薬剤処方が特殊なのは、薬剤が必要でない胎児・乳児にも薬剤が投与される点です。本邦の医薬品添付文書では「妊娠と薬」に関して、実に約25%が「投与禁」となっており、諸外国の5%未満を大きく上回ります。また「妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」の文言は、本邦では約半数に記載があります。妊婦・授乳婦さんを対象とした臨床研究(薬剤投与を受けた胎児・乳児が成長した時にどう影響するか)で安全性が証明されない限り上記制約が付きますが、そのような追跡調査は実質不可能です。さらに動物実験で乳汁中に薬の成分が検出されれば、「授乳を中止すること」と記載されます。けれども妊娠期・授乳期で服用禁忌の薬剤は少なく、多くの薬剤が使用可能であることがわかっています。
書籍「妊娠と授乳」はどこの産婦人科外来にでも置いてあります。医薬品添付文書上は「投与禁」であっても、安全に使用可能な薬剤がいかに多いかに気付かされます。自己判断で休薬や使用制限するのではなく、まずは掛かりつけの産科医に相談してみませんか。
多くの花粉症専用薬が妊婦・授乳婦さんも使用可能です。
文責:福山市医師会 母子保健委員 早田 桂
おくすり一口メモ
子供の便秘と下剤の正しい使い方(その③)~便秘を防ぐための生活習慣~ -福山市薬剤師会-
子供の便秘を予防するには、日々の生活習慣を整えることが大切です。
まず、食生活の改善が基本です。野菜や果物、海藻、豆類など食物繊維を豊富に含む食品を積極的に取り入れましょう。
また、水分不足も便秘の原因になるため、こまめな水分補給も心がけます。
次に、適度な運動も欠かせません。身体を動かすことで腸の動きが活発になり、自然な排便を促します。
外遊びや散歩、簡単な体操など、毎日の生活に無理なく取り入れることが大切です。
さらに、排便リズムの習慣づけも重要です。朝食後など、毎日決まった時間にトイレに座る習慣をつけ、便意を我慢しないことを教えましょう。
焦らずリラックスして排便できる環境を整えることもポイントです。
これらを継続することで、自然な排便習慣が身につき、便秘の予防につながります。
家族全体で取り組むことで、子供も無理なく続けられるでしょう。
