【いきいき健康メール】を更新しました(2025年10月号)
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感染症情報
◎みなおそう「咳エチケット」

今年から「急性呼吸器感染症サーベイランス」が始まっています。サーベイランスとは「調査監視」など、動向を見守る、という意味で、ここ数年の新興感染症などの経験をふまえた新たな取り組みです。流行しやすい急性呼吸器感染症の全体を把握することにより、感染症の注意喚起を早期にしたり、国内の医療体制の整備に繋げることで、国民全体の安全・安心を守る体制を目指すものとされています。
インフルエンザや新型コロナウイルス感染症をはじめとして、咳やくしゃみの飛沫により感染する感染症は数多くあります。咳エチケットは、これらの感染症を他人に感染させないために、個人が咳・くしゃみをする際に、マスクやティッシュ・ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえることです。なお、手でおさえると、その手で触ったドアノブなど周囲のものにウイルスが付着し、このドアノブなどを介して他の人に病気をうつす可能性があります。
せきやくしゃみをするとき、しぶきが2mほど飛んでしまいます。しぶきには病原体が含まれている可能性があり、他の人に病気をうつす可能性があります。
特に電車や職場、学校など人が集まるところで実践することが重要です。
文責:福山市医師会 感染症対策委員 小山 祐介
今月のトピック
◎きのこ中毒に注意を

秋はきのこの季節ですが、きのこ中毒に気をつけましょう。
きのこが食べられるかどうかは、専門家でも見分けが難しく、いろいろと鑑定する方法が言い伝えられていますが、すべて迷信です。また、図鑑やインターネットの写真をみて、勝手に鑑定することは危険です。きのこは、名前のついているものが世界に2万種類、日本に2千種類あるとされていますが、まだ名前もついていないきのこが、この数倍以上存在しています。名前がわかっているものでも、ほとんどのものは食べられるかどうかはわかっていません。現在食用できるとされているきのこも、多くが先人の経験で食べてみて大丈夫であったものなのです。それでも、以前食用可とされていたきのこが毒きのこであったという事例もあったくらいです。
見た目が食用きのこと非常によく似ている毒きのこも多く、誤って食べることで中毒を起こす事例が毎年発生しており、日本では、令和5年までの10年間に、キノコ中毒件数は240件、600人以上の中毒患者が発生しています。きのこ中毒の発生が多いのは1 ツキヨタケ、2 クサウラベニタケ、3 テングタケとのことです。
きのこ中毒には、消化器障害型(嘔吐、下痢、腹痛など)、原形質毒性型(消化器症状から始まり肝不全、腎不全、循環不全に陥る)、神経障害型(幻覚、頭痛、しびれ、めまいなど)があり、実際に亡くなられる方もおられます。
また、食用できるきのこであったとしても、生で食べると、アレルギーや食中毒を起こします。きのこは加熱調理して食べるものです。例外は、生食用として流通しているマッシュルームとトリュフなどごく一部に限られています。
最後に、厚生労働省よりも、きのこ食中毒を防ぐため、以下の4原則を守ることが大切であると警告しています。
食用と確実に判断できないきのこは、
「採らない!」
「食べない!」
「売らない!」
「人にあげない!」
野山できのこ狩りをするなら、目で見て楽しむだけにしましょう。なお、触っただけでも危険なきのこもありますので、ご注意を。
文責:福山市医師会 広報委員 平田 教至
