【いきいき健康メール】を更新しました(2025年11月号)
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感染症情報
◎結核について

結核は、AIDS、マラリアと並ぶ世界の三大感染症とされ、世界中では、年間1千万人以上が感染、150万人が亡くなっています。
日本ではすこしずつ減少しましたが、2021年になってやっと低まん延国(人口十万人比で10人以下の罹患率)の仲間入りとなりました。それでも2024年には、新規登録が1万人、年間1,500人ほどが亡くなられています。
新規患者さんは高齢の方が多いのですが、20代の外国籍の若い方の発症がやや増えています。
結核は、空気感染を起こす3つの疾患の一つ(他は、麻疹(はしか)と水痘(みずぼうそう))で、2024年には東京の中学校で11人が感染するなど、毎年のように学校での集団感染がニュースにもなっています。
発症は、感染者の10%で、そのうち半数は半年~2年の間に発症、残りは、数年~数十年後の免疫能がおちたときに発症する疾患です。そのため、免疫能が低下する、HIV感染、血液透析、生物学的製剤を使用している関節リウマチ、糖尿病、喫煙者などがハイリスクとなります。
もし、排菌(痰の中から結核菌がみつかる)している場合は、排菌がなくなるまで、入院隔離される(空気感染のため隔離が必要)病気です。
治療としては、4つの薬を同時に2ヶ月使用後、2つの薬をあと4ヶ月、合計6ヶ月治療するのが標準です。1回でも飲み忘れがおこらないようにするため、入院期間中は、看護師さんら医療者の目の前で薬を飲み込んでもらうことを確認しています。
2週間以上つづく咳、特に体重減少、だるさ、発熱を伴うようなら、結核を念頭においての検査を受ける必要がありますので、該当する方は、医療機関を受診してください。
文責:福山市医師会 感染症対策委員 平田 教至
今月のトピック
◎秋の花粉症の特徴とその対策について

一般的にはあまり知られていませんが、秋にも花粉症は存在します。秋の花粉症は、主にブタクサやヨモギ、カナムグラなどの雑草が原因で、夏の終わりから11月頃まで症状が現れます。今年は寒くなるのが遅かったため、今頃になって秋の花粉症のピークを迎えている印象です。
スギ花粉とは異なり、これらの花粉は背の低い植物から飛ぶため、道路沿いや河川敷などの身近な場所でも多く発生します。症状は鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどで、風邪と間違われやすいのが特徴です。
対策としては、外出時にマスクや眼鏡を着用し、帰宅後は衣服や髪についた花粉を落とすことが重要です。洗顔やうがいも効果的で、室内では空気清浄機の使用やこまめな掃除で花粉量を減らします。症状が重い場合は、早めに医療機関を受診し、抗アレルギー薬の服用を検討しましょう。
文責:福山市医師会 広報委員 宇高 毅
