一般社団法人 福山市医師会

いきいき子育て支援情報(2025年11月号)

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最近の感染症情報

現在、福山市内にて小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

  1. 急性呼吸器感染症       増加傾向
  2. インフルエンザ        増加傾向
  3. 感染性胃腸炎         横ばい
  4. RSウイルス感染症      横ばい
  5. A群溶血性レンサ球菌咽頭炎  横ばい
  6. 流行性角結膜炎        減少傾向
  7. 伝染性紅斑          横ばい

続いて、伝染性紅斑、新型コロナウイルス感染症などが少数報告されています。

*福山市内でインフルエンザの流行が始まりました。

 2025年は夏場からインフルエンザ流行の報道があり、各地で例年以上に早く流行が始まっていましたが、福山市でも10月23日にインフルエンザの流行期に入ったと宣言がされました。実際には10月6日~12日の週で定点医療機関からの報告患者数が1.33となり、流行入りの目安の1.0を上回っており、その時期から流行が始まったことになります。
昨年の流行入りは11月11日からでしたので、1か月以上早くなっており、より早い準備が必要になっています。予防接種を考えている方は速やかな接種を考えましょう。
繰り返しになりますが、「手洗い」や「マスク着用」などの予防対策も重要です。私たちは毎日、様々なものに触りますが、それによって自分の手にウイルスが付着している可能性があります。ウイルスの体への侵入を防ぐために、帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗うようにしましょう。ある程度、飛沫感染等を防ぐことができるマスクを着用することは自分への防御策になります。また、くしゃみや咳が出るときは飛沫にウイルスがいるかもしれません。他の人にうつさないようにすることも重要です。咳エチケットも心がけましょう。

文責:福山市医師会 理事 荒木 徹

今月のトピック

経鼻インフルエンザワクチンについて

 インフルエンザワクチン接種が始まる時期になりました。2024年10月から2歳以上19歳未満を対象とした経鼻インフルエンザワクチンが使用可能となっています。注射ではなく鼻に噴霧するため「痛くない」という利点がありますが、従来の不活化ワクチンとは異なる重要な注意点があります。
このワクチンは弱毒生ワクチンのため、接種後1~2週間はワクチンウイルスを周囲に排出する可能性があります。そのため、ご家族に乳児、妊婦、高齢者、免疫力が低下している方がいる場合は接種後の密接な関係を避ける必要があります。また喘息のお子さんやゼラチン・鶏卵にアレルギーのある方も接種に注意が必要です。
接種を検討される際は、これらの制限事項をよく確認し、かかりつけ医と相談の上、お子さんに適したワクチンを選択することが大切です。

文責:福山市医師会 学校保健委員 堀内譲治

おくすり一口メモ

お子様のアレルギーとお薬について(その③)~薬との上手な付き合い方と心のケア~ -福山市薬剤師会-

 アレルギーは長く付き合うことが多くなる一種の体質です。大切なのは薬だけに頼らず生活環境と心の両面を整えることです。食物アレルギーでは原因となる食品を避けつつ、医師や栄養士と相談して代替食材を工夫するのが一般的です。最近では卵・乳・小麦を使わない調味料やおやつも多く販売されており、食の楽しみを広げるため市販品を上手に取り入れている方が増えています。
 花粉症やダニなどの環境アレルギーでは、こまめな掃除や布団乾燥機、空気清浄機などの活用が有効です。洗濯物を花粉の少ない時間帯に干したり、帰宅後にうがいや洗顔でアレルゲンを洗い流すことも大切なケアです。
 アレルギーのあるお子様は、かゆみや制限のある生活からストレスを感じやすいものです。「食べられるもの」や「できること」に目を向けてほめることで、前向きに治療へ取り組む気持ちを育てることができます。心のケアも治療の大切な一部です。
 最後に、お薬は「症状を抑える味方」です。症状が軽くなっても自己判断でやめず、医師・薬剤師と相談しながら調整しましょう。