【いきいき健康メール】を更新しました(2025年12月号)
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感染症情報
◎今年のインフルエンザ感染症の特徴について

2025-26シーズンのインフルエンザは、例年より「早く・広く・長く」流行が拡大する傾向にあります。
特に注目されているのが、A型ウイルスの亜型サブクレードK。この変異株は従来のワクチン対象株と異なる系統で、抗原性がズレており、過去感染やワクチンによる免疫をすり抜けやすい可能性があります。
ただし、ワクチンがまったく無意味になるわけではなく、特に子どもに対しては依然として強い効果(発熱・受診予防率 約72~75%)が報告されており、成人でも重症化予防として一定の効果は期待できます。
加えて、今シーズンはワクチン接種のタイミングがこれまでより重要になっています。流行の立ち上がりが早いため、例年より接種を早めることが推奨されます。
また、複数のウイルス(インフル・RSV・風邪ウイルスなど)が同時に流行する「複合流行」の可能性も指摘されており、症状が出たら早めに検査・対応することが大切です。お早めの受診をお心がけいただければと思います。
文責:福山市医師会 感染症対策委員 宇高 毅
今月のトピック
◎冬の疾患

冬の代表的な疾患としては風邪があげられます。風邪は正式には「風邪症候群」といい、鼻腔から喉頭までの上気道の急性炎症の総称です。原因の8~9割はウイルスです。
風邪をひかない人には、免疫力が高い、腸内環境が整っている、精神的ストレスを感じていない、といった特徴があります。免疫力を高めるためには、睡眠をしっかりとる、適度な運動を行う、腸内環境を整えるためには、発酵食品や食物繊維をしっかりとる、暴飲暴食をしない、といったことが大切です。
また、マスクや手洗い、うがいなどに加え、インフルエンザワクチンの接種、こたつで寝ない、忘年会や新年会などで飲みすぎない、といったこの時期ならではの対策も重要です。他に冬に多い疾患としては冬季うつ(日光にあたる)、寒暖差アレルギー(外出時の防寒)、ヒートショック(温度差をなくす、入浴時の工夫)といったものから、命にかかわる心筋梗塞、心不全や大動脈解離といった循環器疾患、また脳梗塞や脳出血といった脳血管疾患などがあげられます。
イベントが多く、楽しいことの多い時期かと思いますが、ストレスもためないように心掛けながら、この冬を上手に乗り切ってゆきましょう。
文責:福山市医師会 広報委員 西川 敏雄
