いきいき子育て支援情報(2026年2月号)
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最近の感染症情報
現在、福山市内にて小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。
- 急性呼吸器感染症 増加傾向
- インフルエンザ 横ばい
- 感染性胃腸炎 増加傾向
- A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 増加傾向
- 流行性角結膜炎 横ばい
- 伝染性紅斑 横ばい
- RSウイルス感染症 横ばい
続いて、マイコプラズマ肺炎、水痘、新型コロナウイルス感染症などが少数報告されています。
*ブレイクスルー水痘
この1月になって、ブレイクスルー水痘という報道がありましたので、少しお話したいと思います。
「水痘(すいとう)」は、いわゆる「水ぼうそう」のことです。以前は多くの子どもがかかる病気でしたが、現在はワクチン接種が広く行われるようになり、重い水痘は大きく減りました。
それでも時には「ワクチンを受けているのに水痘にかかりました」というお話を聞くことがあります。これをブレイクスルー水痘と呼びます。
ブレイクスルー水痘とは、水痘ワクチンを接種したあとに起こる水痘のことです。ワクチンはとても効果的ですが、100%防げるわけではありません。そのため、体の免疫の状態や時間の経過によって、発症してしまうことがあります。
ブレイクスルー水痘の特徴は、とても症状が軽いことです。発疹の数が少なかったり、発熱がなかったり、「虫さされかな?」と思う程度で治ってしまうこともあります。かゆみやつらさも、通常の水痘に比べてかなり軽いことがほとんどです。
一方で、症状が軽いために水痘と気づかれにくいことがあります。発疹が少なく元気なため、登園・登校を続けてしまい、周囲にうつってしまう可能性がある点には注意が必要です。「水ぼうそうにしては軽いけれど、発疹が増えてきた」という場合は、早めに医療機関に相談しましょう。
文責:福山市医師会 理事 荒木 徹
今月のトピック
良い睡眠のススメ
寝る子は育つとあるように、睡眠が子どもにとって大切であることはいうまでもありません。日本人の睡眠時間は子どもも大人も世界の他の国に比べて短いと言われています。しかし長い睡眠時間だけでなく、質の良い睡眠を取ることによって、『ぐっすり眠った翌朝、頭は冴え、体は軽い』と感じられるようになります。
この質の良い睡眠を取るための鍵は眠り始めの90分間にしっかり深く眠ることにあります。睡眠はヒトの脳と体に休息を与えます。休んでいるように見えても人間の体では意志と関係なく自律神経が常に働いています。眠り始めの90分間に自律神経がスムーズに副交感神経優位の状態に交代しないと、寝付きが悪くなり眠りが浅くなります。そして自律神経のパランスが崩れると、体温や腸管の働きなど根本的な体の機能が保てなくなります。不安意識が増大しうつ傾向も高まります。また、睡眠中には多くのホルモンが働いていてホルモンバランスを調整しています。特に成長ホルモンは眠り始めの深い睡眠時に最も多く分泌されます。成長ホルモンは体の新陳代謝に関わる大切なホルモンです。ホルモンは免疫と連動しており、睡眠が不適切になるとホルモンバランスが崩れ免疫の働きにも影響してきます。最近の研究では充分な睡眠を取らないと風邪にかかり易くなり、予防接種を受けても効果が少ない事がわかってきました。また、睡眠には「記憶」を整理して定着させる働きがあります。学習してもその後寝ないと記憶として定着しないことがわかっています。嫌な記憶を消す働きもあります。

この質の良い睡眠をとるにはどうしたらいいでしょうか。毎日決まった時間に就寝し、決まった時間に起床することが大切です。それに加えて知っておきたいのは眠るための「体温」と「脳」の2つのスイッチです。赤ちゃんが眠くなると手足が温かくなるように、眠る時まず手足が温かくなり皮膚温度が上がってから熱を放散し続いて深部体温が下がります。この変化を助ける工夫をします。適切な入浴時間や方法、適切な室温湿度管理をします。脳のスイッチとは眠る前は頭を使わないようにする事です。寝る前のルーティンを決めていつも同じことをすることが役立ちます。スマホやパソコンなどゲーム、メールや検索などで頭を使う危険性があるものは避けます。
良い睡眠は多くの恩恵をもたらします。大人も子どもも健全な生活をおくるために良い睡眠を取りたいものです。
文責:福山市医師会 学校保健委員 池田紀和子
おくすり一口メモ
子供の風邪に使う市販薬の知っておくべきポイント(その③)~風邪の予防と衛生関連品の上手な使い方~ -福山市薬剤師会-
子供の風邪予防で最も基本となるのは、手洗い・うがい・十分な休養です。外から帰った後や食事の前に石けんで手を洗う習慣をつけることで、ウイルスの侵入を防ぎやすくなります。うがいが難しい年齢のお子様は、口をゆすぐだけでも効果があります。
家庭で使われる衛生関連品としては、アルコール消毒剤や除菌シートで殺菌・除菌するのが効果的です。使いすぎは手荒れの原因になりますので、使用後は保湿ケアを忘れないようにしましょう。また、マスクは咳やくしゃみが出るときに周囲へうつさないために有効ですが、乳幼児では窒息の危険があるため注意しましょう。
室内環境の整備も重要です。適度な加湿(湿度40~60%)は、のどや鼻の乾燥を防ぎ、ウイルスの活動を抑える効果が期待できます。加湿器を使う場合は、こまめな清掃を行い、カビや雑菌の繁殖を防ぐように心がけましょう。
これらの予防対策は、市販薬に頼る前の大切な土台です。風邪にかかりにくい環境づくりで、家族の健康を守りましょう。
