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2023年8月号

最近の感染症情報

 現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

2308_1.gif1.新型コロナウイルス感染症 増加傾向
2.感染性胃腸炎 ・・・・・ 横ばい
3.ヘルパンギーナ ・・・・ 横ばい
4.インフルエンザ ・・・・ 横ばい
5.溶連菌感染症 ・・・・・ 増加傾向
6.RSウイルス感染症 ・・ 減少傾向
7.手足口病  ・・・・・・ 増加傾向
8.咽頭結膜熱・・・・・・・ 減少傾向

 続いて、突発性発しん、流行性角結膜炎、水痘が少数報告されています。

※夏かぜが流行しています。

 エンテロウイルスによる夏かぜのヘルパンギーナや手足口病が流行しています。感染するのは5歳までの子どもが多く、発熱と口の中に水泡ができるのが特徴です。食事や水分がとれずに脱水状態になる場合があります。手足口病では手足やおしりに発疹ができます。このウイルスは咳やくしゃみにより他の人に感染することもありますが、便の中にウイルスが数週間も排泄されるためにウイルスがおむつ交換の時などに大人の手についてしまい保育所や家庭内で流行することが多いです。2308_2.gif
 このエンテロウイルスにはアルコール消毒は効果がありませんので、しっかりと石鹸で手洗いをしましょう。

今月のトピック

はしか(麻疹)に注意しましょう

 コロナ禍が落ち着き、外出の機会が増えてきています。
 今年は、麻疹(はしか)の流行が懸念されています。麻疹の感染力は季節性インフルエンザの10倍とも言われています。免疫を持たない人が感染すると、ほぼ全員が発症し、発熱や咳、発疹などの症状のほか、重大な合併症が併発することがあります。また、妊娠時に感染すると、重症化しやすいと言われています。
 麻疹は空気感染するウイルスで、感染予防にはマスクなどは無効で、ワクチン接種が有効と言われています。さらに1回接種だと、免疫がつかなかったり、時間がたつと免疫が弱くなってしまうため2回接種が有効とされています。2308_3.gif
 麻疹の予防接種は1978年から1回の定期接種が開始され、その後2回接種になりました。結果として1977年から1990年生まれの人が、1回しか接種を受けていない世代になっています。この世代の方は、追加のワクチン接種をお勧めします。
 現在、定期接種は1歳と小学校入学前の2回定期接種が行われていますが、定期接種の接種率の低下が報告されています。感染予防の為、2回接種をうけましょう。

文責:福山市医師会母子保健委員 吉田壮一

おくすり一口メモ

お薬の乱用と濫用(その2) -福山市薬剤師会-

 今回は、薬局店頭で購入できる医薬品のお話です。風邪薬のなかで、「咳止め」系の中にはコデインとかエフェドリンなどの少量の麻薬成分が配合されています。決められた量を服用するには、全く害はありませんが、近年若者の間で「一気飲み」による「濫用」が見られます。今春、サハリン税関ではコルサコフの漁港に入ったロシア漁船の船員二人が、違法薬物所持で逮捕されました。二人とも、日本でごく普通に一般的に販売されている風邪薬を隠し持っていたとされています。一人は「○○○○キッズかぜシロップ」2箱でした。小児用の医薬品は、飲みやすく味付けされています。間違っての「一気飲み」にならないように、必要最小限を子供の手の届かないように管理しましょう。