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いきいき子育て支援情報

2025年1月号

最近の感染症情報

現在、福山市内にて小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

  1. インフルエンザ       増加傾向
  2. 感染性胃腸炎        減少傾向
  3. A群溶血性レンサ球菌咽頭炎  横ばい
  4. 新型コロナウイルス感染症  横ばい
  5. 流行性角結膜炎       横ばい
  6. 手足口病          減少傾向
  7. マイコプラズマ肺炎     横ばい

 続いて、RSウイルス感染症、突発性発しんなどが少数報告されています。

*インフルエンザを予防するためのこころがけ

 インフルエンザの流行が広がる中、福山市にも12月26日にインフルエンザ警報が出されました。インフルエンザは、インフルエンザウイルスが体内に入り込むことによって起こります。インフルエンザになっても軽症で回復する人もいますが、中には肺炎や脳症などを合わせて起こし重症化してしまう場合もあります。予防はとても重要になるので、次のような心がけを持つようにしましょう。
 私たちは毎日、様々なものに触れていますが、それらに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があります。ウイルスの体内侵入を防ぐために、帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗うようにしましょう。
 インフルエンザが流行している期間、特に警報が発令されている時には、小さなお子様や、妊娠中の女性、持病のある人、体調の悪い人は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度、飛沫感染等を防ぐことができるマスクを着用することは防御策の一つになります。また、空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下します。乾燥しやすい室内では加湿器などを使って、適切な湿度(50%から60%)を保つことも効果的です。体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日頃から心がけることも重要です。
 そして、他の人にうつさないようにすることも重要です。くしゃみや咳が出るときは飛沫にウイルスがいるかもしれません。咳エチケットも心がけましょう。

今月のトピック

予防接種について

 子どもの予防接種の目的は、予防接種を確実に接種することで、子どもをワクチンで予防できる病気(VPD)から守ることです。
 その目的を達成するためには、適切なワクチンを、適切な接種時期に、適切な接種回数、接種する必要があります。
 そのためには、接種する側(医療者)、接種される側(子どもと取り巻く人達)に正しい情報に基づく予防接種への理解が必要です。2501_1.gif
 VPDには様々な感染症がありますが、多くの感染症がある中で、ワクチンで予防できる病気の数はわずかです。百日咳、ジフテリア、破傷風、麻疹、風疹、水痘、ムンプス、日本脳炎、ヒトパピローマウィルス感染症、結核、ポリオ、肺炎球菌感染症、Hib、B型肝炎、ロタウィルス感染症、インフルエンザ、新型コロナ感染症など。
 ワクチンの接種開始時期は生後2ヶ月が一般的です。その後ワクチンの効果を増強かつ持続させるために好ましい時期に追加接種するように規定されています。
ワクチンには、毒性や病原性を低下させた(生きている)細菌ウイルスをそのまま用いる生ワクチンと毒性や感染力を失った(生きていない)細菌ウイルスを利用した不活化ワクチンがあります。
 また、予防接種法で規定され原則費用負担のない定期接種のワクチンと予防接種法での規定がなく原則費用負担のある任意接種のワクチンとがあります。
ワクチンの安全性はもちろん重要です。副反応が見られた場合は、ワクチン接種することで生じた真の副反応なのか、その程度もしっかりと把握する必要があります。
正しい理解のもとに安全に予防接種が進められていく事が求められています。

文責:福山市医師会 学校保健委員 池田紀和子

おくすり一口メモ

子供の抗生物質の使い方と注意事項(その②)~正しい使用方法と注意点~ -福山市薬剤師会-

 用法用量を守ることが最優先です。子供の場合、体重に基づいて適切な量が処方されるため、自己判断で量を増減させることは絶対やめましょう。飲み忘れた際、次に2回分を服用するのはとても危険です。判断できない場合はかかりつけの薬局に相談しましょう。
 服用期間について、症状が改善したように見えても途中で服用をやめると感染が再発したり、薬が効きにくい耐性菌が生じる原因になります。
 処方された回数分を飲み切るようにしましょう。
 副作用としては、下痢や吐き気、アレルギー反応(発疹、かゆみなど)が挙げられます。服用後にこれらの症状が現れた場合は、すぐに医師・薬剤師に相談してください。また、薬の飲み合わせにも注意が必要なので、服用中の薬がある場合は事前にお伝えください。
 苦みが苦手なお子様にはアイスクリームと混ぜたりなど工夫出来ます。酸味のあるスポーツドリンクや乳酸系飲料は苦みを増すことがあります。薬と混ぜ合わせの良いものに悩んだらぜひ薬剤師に相談してください。薬を飲めたこと、飲もうとがんばったことを褒めてあげ、薬嫌いにならないように応援してあげましょう。
 服用方法を正しく守ることで、抗生物質の効果を最大限に発揮し、副作用や耐性菌のリスクを減らすことができます。次回は、抗生物質と耐性菌について詳しく解説します。

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