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2023年12月号

最近の感染症情報

 現在、小児の間で流行している感染症を、感染頻度の高い疾患順にお知らせします。

  1. 2312_1.gifインフルエンザ ・・・・ 横ばい
  2. 感染性胃腸炎 ・・・・・ 増加傾向
  3. 新型コロナウイルス感染症 横ばい
  4. 溶連菌感染症 ・・・・・ 増加傾向
  5. 咽頭結膜熱・・・・・・・ 増加傾向
  6. 手足口病  ・・・・・・ 増加傾向
  7. 流行性角結膜炎・・・・・ 減少傾向

続いて、突発性発しん、ヘルパンギーナ、水痘が少数報告されています。

*インフルエンザによる異常行動について

 今年は全国的にとても早い時期からインフルエンザが流行しています。インフルエンザの検査薬や治療薬も不足していますので、予防接種・マスク・手洗いなどの感染対策を心がけましょう。小さなお子さんやご高齢の方はインフルエンザにかかると脳症や肺炎などの合併症により重症となったり、お亡くなりになることがあり注意が必要です。

 しかし持病のない健康なお子さんでも急に窓から飛び降りてお亡くなりになることがあります。特に小学生から高校生までのお子さんが発熱してから2日間は要注意です。

◎興奮して窓を開けてベランダに出て、飛び降りようとする
◎変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る
◎突然笑い出し外に走り出す、話しかけても反応しない

などの異常な行動を前触れなく突然おこします。タミフルなどの抗インフルエンザ薬を飲んでいなくても転落死されたお子さんや、異常な行動の後で発熱していることに気づかれ病院でインフルエンザと診断されたお子さんもいます。
 万が一の転落などの事故を防止するためにインフルエンザが流行する冬は、お子さんの体調が良くても常日頃から

◎玄関や全ての部屋の窓を確実に施錠する
◎マンションの方はベランダに面していない部屋や窓に格子のある部屋で寝かせる
◎一戸建ての方は1階で寝かせる
などの対策を講じてください。

今月のトピック

妊娠中の体重管理について

 日本産婦人科学会で新たな「妊娠中の体重増加の目安」が策定されてから2年が経過しました。現在妊娠中の経産婦さんの中には、前回の妊娠中に聞いていた体重増加の目安と変わっているなど、気付いた方もおられるかも知れません。
 新しい目安では、従来の基準値より下限値が2~3kgずつ引き上げられ、妊娠前に痩せていたり、普通体重だった人たちは、これまでより体重を増やしても構わないという方向に修正されています。妊娠中の体重増加が少なすぎると、2500g未満の低出生体重児や、妊娠週数に対して体重が少ない赤ちゃんが生まれたりする可能性が上がることが分かってきています。
『体重増加=太る』と思いがちですが、妊娠中の体重増加は生理的なことであり太るとは違います。
 ただし、体重が増え過ぎてしまうことや、急激に増えてしまうことはよくありませんので、体重増加のペースをコントロールする事が大切になります。
 2312_2.gifつまり、お母さんの健康な妊娠継続や、お腹の中の赤ちゃんの成長や発達のために、妊娠中の体重は増えすぎても、増えなさすぎてもよくありません。
『適切な体重増加』が大切なポイントになります。
 これから年末年始を迎え、ついつい食べ過ぎてしまう時期になりますが、適度な食事量と適度な運動を心がけて過ごすようにしましょう。

文責:福山市医師会 母子保健委員 今福 紀章