いきいき健康メール (2013年11月号)
2013年11月8日発行号
◎RSウイルス感染症にご注意を!
赤ちゃんに肺炎や気管支炎を起こす「RSウイルス感染症」が流行しており、
今後年末に向ってさらに本格的な流行が予想されています。
RSウイルスは、咳やくしゃみなどの飛沫、ドアノブやコップなどの接触を通
して感染します。4?6日間の潜伏期を経て発熱、鼻水など風邪のような症状が
数日続きます。多くは軽症で済みますが、ひどくなると肺炎や細気管支炎を起
こします。
生後1歳までに半数以上、2歳までにほぼすべての子供が1度はRSウイルスに
感染します。しかしこの感染症は、終生免疫が獲得されません。一度感染した
としても何度も感染を繰り返すため、流行時には注意が必要です。早産で生ま
れたり肺や心臓に病気のある赤ちゃん、また生後3カ月以内の感染は重症化す
る場合があるので、特に注意が必要です。
また、3歳以上のお子さんの多くは、かぜ症状で経過しますが、2歳未満の
乳幼児が罹患すると、急性細気管支炎などを発症し、場合によっては呼吸に"
ゼーゼー、ヒューヒュー"と喘鳴が出現したり、呼吸困難をきたして入院治療
が必要となることもあります。特に兄弟姉妹がいるご家庭では、家族内で感染
することも少なくありませんのでご注意ください。
大人は軽症で治ることが多いのですが、高齢者は重症の肺炎を起こす場合が
あり、特に長期療養施設内での集団発生が問題になっています。
感染を予防するには、うがいや手洗いの励行、マスクの着用が有効です。風
邪のような症状のある人は、RSウイルス感染症と気付かない場合があるので、
赤ちゃんに近づかないようにします。
特効薬はなく、症状を和らげる対症療法が基本です。RSウイルス感染には、
大量のねばい鼻水を認めるため、乳幼児の場合は積極的に鼻水吸引を行うこと
が有効です。予防ワクチンはありませんが、早産児などの感染予防のため、抗
体製剤パリビズマブが筋肉注射で投与されることがあります。