いきいき健康メール (2015年10月号)
2015年10月9日発行号
◎美味しい季節なのに『味覚障害』?
天高く馬肥ゆる秋となりました。この時期、食べ物が本当に美味しいですよ
ね。収穫の秋、食欲の秋と呼ばれるのもうなずけます。おや、食べ物が美味し
くないという方がおられますか?それは、もしかしたら味覚障害かもしれませ
ん。
味覚障害とは、味が薄い・わからない・何を食べてもおかしな味がするなど
、味を感じる器官に異常のある状態のことを言います。年をとると味覚も他の
器官と同様に段々と機能が落ちていくのですが、昨今では10代・20代の子供や
若者にも症状のある人が増えてきているようです。
味覚は、舌にある「味蕾(みらい)」という小さな器官によって感じられます
。味蕾は、短い周期で新しく生まれ変わっており、そのためにはたくさんの亜
鉛を必要とします。この亜鉛が不足すると味蕾がうまく作られず、味覚障害の
原因となります。貧血やドライマウス(唾液が充分に出ない状態)、ストレスな
どが原因となり味蕾がうまく機能できない場合、また、消化器や腎臓に疾患が
あり、薬の副作用などで身体が亜鉛を吸収できない状態になっている場合など
も原因として考えられます。
味覚に異常があると、食事を摂りづらくなることで栄養バランスが崩れたり
、お料理を何でも濃く味付けしてしまって塩分の過剰摂取になるなど生活習慣
病につながったり、美味しさが分からなくて友人や家族との食事会を楽しめず
ストレスになるなど、知らず知らずのうちに心身を害してしまう恐れがありま
す。
また、時には味覚障害の陰にとんでもない病気が隠れていることもあります
。もしかしたらと思ったら、検査に行ってみましょう。耳鼻咽喉科・内科・歯
科を標ぼうしている医療機関で検査が可能です。
予防として気を付けていただきたいのが普段の食事です。野菜のみの食事・
インスタント食品・ファストフードでは亜鉛どころか必要な栄養素がとれませ
ん。普段から栄養バランスよく食事をとることを心がけましょう。また、亜鉛
を摂取しやすい食品には、牡蠣(かき)や牛肉、パルメザンチーズなどがありま
すので、時には意識してこれらの食品をとりいれてみてはいかがでしょうか。
何たって、食べる楽しみのない人生なんて「味気ない」ですからね。