いきいき健康メール (2017年11月号)
2017年11月10日発行号
◎それって、いつもの風邪ですか?
これは、厚生労働省が、毎年9月の結核予防週間に、結核についての理解を深
めるために作成した今年の啓発ポスターの標語です。
今年のポスターでは、症状を上手に医師に伝えられない患者さんと、診断に必
要な情報が得られないために診断を進めにくい医師とのやりとりが描かれ、「
感染症の早期診断に役立つ情報」が例示されています。
感染症の正しい診断には、患者さんしか分からない情報を医師に伝えること、
医師は必要な情報を患者さんから聞き出すことが重要です。患者さんと医師の
間でそういった情報のやりとりが無いと、診断の遅れや誤った診断につながる
ことになります。
結核の症状には特徴的なものはなく、私たちが日常的に経験する「風邪」の症
状とよく似ています。いつもの風邪の症状とは異なるところ(例えば、痰の絡
む咳が2週間以上続いている、微熱や身体のだるさが2週間以上続いている等
)を患者さんが医師に伝える、医師は患者さんの「いつもの風邪」の症状とは
異なるところを聞き出す、これにより結核の早期発見、早期診断につなげるこ
とが出来ます。
この例以外にも、自分自身にしか分からない、医師に伝えることで感染症の正
しい診断に役立つ情報にはいろいろなものがあります。
たとえば、
□最近、海外旅行から帰って来た→麻しん、腸チフス、赤痢アメーバなど。
□身体に淡いポツポツが出て来た→麻しん、風しん、猩紅熱など。
□山遊びでダニに咬まれた跡がある→日本紅斑熱、ツツガムシ病、発疹チフス
、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)など。
□海外旅行で何度も蚊に刺された→マラリア、デング熱、ジカ熱など。
□耳の後ろのリンパ腺が腫れている感じがある→A群溶血性連鎖球菌急性咽頭炎
、流行性耳下腺炎、伝染性単核球症、急性HIV感染症など。
いずれかに該当していれば医師に伝えましょう。
すると医師は矢印の右に記したような、「いつもの風邪」とは違う様々な感染
症の可能性も考慮に入れながら診察することになり、正しい診断につながりま
す。
皆さん、病院を受診する時は「いつもの風邪とは違うところはないかな?」と
考えてみてください。思い当たることがあれば是非医師に伝えましょう。
(出典:厚生労働省ホームページ)