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【感染症情報】感染症と癌のお話

【いきいき健康メール】(2022年7月号)
2022年7月8日発行号
◎感染症と癌のお話 癌になると、手術や抗がん剤の治療をするので「感染症にかからないように注意しましょう」という話をよく聞きます。一方で、感染症の予防で、癌になることを防ぐことができます。 1.肝炎ウイルスと肝臓がん B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに感染すると肝臓がんになりやすくなることが分かっています。一昔前は、B型肝炎・C型肝炎の治療はインターフェロンを使用したしんどい治療が必要でしたが、現在は薬の進歩で体の負担が少なくほぼ治せる時代になりました。またB型肝炎はワクチン接種で予防することもできます。 2.ピロリ菌と胃がん 昔は、胃酸が出ている胃の中に細菌が住んでいること自体が信じられませんでした。胃の中にピロリ菌が存在することを証明したウォーレンとマーシャルはノーベル賞を受賞しました。現在では、ピロリ菌の除菌を行うことで、胃がんになる可能性を減らすことができます。 3.ヒトパピローマウイルスと子宮頚がん 子宮頚がんの発生にもヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関わっています。HPV感染はワクチンで防ぐことが可能です。しかしワクチン接種後に多様な症状が出現することが問題になりました。その後の研究でワクチンと症状の因果関係はないと考えられています。先進国で日本のみHPVワクチン接種率が非常に低く、将来、女性が子宮頚がんで命を落としたり子宮を失ったりする深刻な不利益が懸念されています。 文責:福山市医師会 感染症対策委員 太田 茂