いきいき健康メール (2014年6月号)
2014年6月10日発行号
◎ポリオを予防しよう!
ポリオ(急性灰白髄炎)は、急性の弛緩性麻痺(だらんとした麻痺)がおこ
る病気です。
ポリオは、ポリオウイルスが、口から入って、腸の中で増えることで感染し
ます。
感染後、1〜2週間の潜伏期間の後、発熱、頭痛、のどの痛み、嘔吐、下痢
などの風邪に似た症状が現れます。症状は、1〜4日続き、熱が下がるころ、
手や足に弛緩性麻痺が現れ、その麻痺が一生残ってしまうことや、呼吸困難で
死亡することもあります。乳幼児がかかることが多いことから、小児麻痺とも
呼ばれています。
麻痺の進行を止めたり、回復させるための特効薬はなく、残された機能を最
大限に活用するためのリハビリテーションが行われます。
日本では、1960年に、ポリオ患者数が5000人を超え、かつてない大流行にな
りましたが、生ワクチンの導入により、流行は収まり、1980年を最後に、現在
まで、野生の(ワクチンによらない)ポリオ患者の発生はありません。
生ワクチンは、免疫力は強いものの、生ワクチンによるポリオ患者の発生が
見られることから、2012年9月1日から、生ポリオワクチンの定期接種は中止さ
れ、不活化ポリオワクチンの定期接種が導入されました。
日本国内では、ポリオ患者の発生はなくなりましたが、アフガニスタン、ナ
イジェリア、パキスタンの3か国では、流行が続いています。患者発生が、周
辺諸国に拡大していることから、WHOは、2014年5月5日、国際的拡大リスク
に関して、声明を出しました。
日本でも、ポリオに対する免疫を持つ人が減ると、再流行する可能性があり
ます。
ポリオワクチンの予防接種を、必ず受けてください。
ポリオは、口から感染するので、食事の前には、手洗いを十分しましょう。
予防接種については、かかりつけ医にご相談ください。