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【感染症情報】マダニ症と日本紅斑熱とミノマイシン

いきいき健康メール (2018年8月号)
2018年8月10日発行号
◎マダニ症と日本紅斑熱とミノマイシン 県東部にはマダニがたくさんいます。 マダニは刺されても痛くなかったり赤く腫れないことも多く、他人に指摘され るまで気が付かない人もいます。ホクロと間違える人もいます。 田畑や山の猪など小動物に寄生していますが野良猫や犬に寄生していることも あります。 マダニが原因で発熱や発疹が生じるのが日本紅斑熱です。 これも県東部に多く、昨年は広島県が日本最多でした。 高熱が出て重症化することもありますがミノマイシンが有効です。ところが、 日本紅斑熱になった患者にマダニが寄生しているケースはほとんどありません。 刺し口と思われるカサブタや紫斑があるだけです。 専門家は 「寄生するのはマダニの成虫で日本紅斑熱を発症させるのは幼虫であろう。 幼虫はすぐに脱落するので皮膚に見つからない。したがって成虫は日本紅斑熱 を発症させないからマダニ症にミノマイシンの予防内服は不要。」 と言っています。 筆者はこの意見に反対です。 それは (1)県東部が日本紅斑熱の多発地域である点 (2)重症化して死亡例もある点 (3)成虫と幼虫と同時に刺された可能性がある点 です。 薬剤アレルギーなどがないかぎりマダニ症にミノマイシンの内服を勧めていま す。 文責:福山市医師会 感染症対策委員 下江敬生(皮膚科)