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【感染症情報】旅行者と水あたり

【いきいき健康メール】(2019年8月号)
2019年8月9日発行号
◎旅行者と水あたり 8月は長期休暇を利用しての旅行を楽しまれるかたも多いのではないでしょうか? 現在では、国内での移動先で「水あたり」を心配する必要性は無いと言っても過言ではありません。 水質管理された水道水は、加熱することなく飲用できます。 ひょっとしたら水あたりと言う言葉は死語になっているかもしれませんが、水あたりはお腹をこわすのと似たような状態で、下痢や軟便、嘔吐などの症状が現れます。 明治時代までは、砂礫などを通過してきた湧水(井戸を含めて)を飲用していたのが普通ですが、この澄んだ水は土壌による物理的な濾過と、土壌に優勢な細菌類の化学的なバリアー(通過物質の分解など)のたまものです。 ただしそのままでは無菌という訳では無く、江戸時代の旅行者は加熱しないと水あたりを防ぐことはできなかったでしょう。 ただし免疫が対応している(慣れのある)現地の人は、そうはなりません。 現在の水道水はいわゆる塩素による殺菌が行われていますので、旅行者は水道水で下痢を心配することは無いでしょう。 少し感染症の話からはそれていますが、体に必要な水にまつわる話でした。 文責:福山市医師会 感染症対策委員 淺野誉久