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【感染症情報】ムンプス難聴

【いきいき健康メール】(2020年1月号)
2020年1月10日発行号
◎ムンプス難聴 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、以下ムンプス)はムンプスウィルスが感染して起こる病気で合併症として髄膜炎、脳炎、精巣炎、卵巣炎それからムンプスウィルスが内耳を障害し発症する急性感音難聴のムンプス難聴があります。 ムンプスに年間数十万から100万人がかかり1000人に1人にムンプス難聴が発症すると言われていますが、2015-16年の2年間の耳鼻科学会の全国調査では300人以上の発生が確認され実際にはそれ以上に発生頻度が高いと推測されています。 発症年齢は就園や就学年齢そして子育て世代に多くみられ、95%が片側、5%が両側で約80%に日常生活に支障をきたす高度以上の難聴が後遺症としてみられたと報告しています。 現在は有効な治療法はなく、特に難聴の後遺症は子どもにとって職業選択の制限をはじめ将来を左右することになります。 ムンプス難聴は急性感音難聴の中でも唯一予防接種で予防できますが、2回の定期接種(公費負担)を行っている世界の多くの国と違って日本では任意接種(自己負担)のため予防接種率が30-40%と低く、いまだにムンプス難聴の後遺症に苦しむ人がいます。 ムンプスには重篤な合併症があり2回の予防接種(1-2歳の間の1回目、5-7歳未満の2回目)の重要性について啓発していくことが望まれます。 文責:福山市医師会 感染症対策委員 岡本宏司